これからの時代(Era) をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「ACALL・長沼斉寿CEO」を取材しました。
オフィスの役割は変わった
親が転勤族だったこともあり、さまざまな場所で暮らした。土地ごとの特色を経験し、人が幸福を感じるときには、どのような環境に身を置いているかが重要になると強く実感し「幸福を生む空間とは何か」を考えるようになった。
多くの人は、働くことに人生の大半を費やす。そうした時間に幸せを感じられる空間をデザインしたいという思いが、自社のハイブリットワーク支援サービス「WorkstyleOS」には込められている。
リモートワークの普及でオフィスの役割は変わり「コミュニケーションを通して、家では受けられない刺激を求める場所」となった。自社のソフトウェアを通じて、オフィスに関するデータを集め、どういった空間が働きやすさを実現するかを定量的に示す役割を果たしたい。
多様性を許容する
「中庸の精神」を座右の銘とする。経営において中長期的な目線に立ったとき、一方に偏った考え方にこだわりすぎてしまえば、その後に反動が来るのは「自然法則のようなもの」だと考えるからだ。
こだわりが強ければ、時代の劇的な変化に対応することも、さまざまな考え方を柔軟に受け入れることも難しくなる。その意味で「中庸の精神を持つことは多様性を許容する心構え」にもつながる。
日本だけに閉じない
シンガポールにもオフィスを構える。「シンガポールは多民族国家。できるだけ多様なユーザーに使ってもらい、声を聞くことが大きなプラスになる」。
働き方の問題は、国籍や人種や性別、年齢に関係なく誰もが抱える問題だ。日本の中だけに閉じていても、良質なサービスは生み出せない。あらゆる人が幸せになれるワークスタイルを支援するため、歩みは止めない。
プロフィール
長沼斉寿
1982年生まれ。2004年に日本IBMに入社。ITエンジニアおよび金融市場向けIBMグローバルソフトウェアの国内でのコンサルティングセールスなどを経て、10年にBALANCE&UNIQUE(現ACALL)を設立。
会社紹介
自動受付・座席予約・会議室予約・リモートチェックイン・オフィス分析などの機能を備えたハイブリットワーク支援サービス「WorkstyleOS」を提供する。