これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「MamaWell・関 まりか代表取締役」を取材しました。
妊娠・子育てを社会で支える
助産師として500人以上の出産に立ち会う中で、早産や低出生体重児を産んだことで自分を責める母親たちの姿を見てきた。「出産は本来、幸せなことなのに、そんな思いを抱え続けてほしくない」。そういった事例を少しでも減らそうと、ヒントを求めて大学院の門をくぐった。
妊婦の身体活動について研究を進め、論文も書いたが、ふと「自分が書いた論文は誰が社会実装するのか」という疑問が頭をよぎった。研究を通して、対策すれば予防できる妊娠合併症があると分かったことで、「苦しむ妊婦を減らしたい」という思いが一層強くなった。
原動力は使命感
考えたのは、妊娠・育児中の女性・男性を対象とした伴走型の妊娠管理支援サービス。専属の助産師が夫婦ごとに1人付き、妊婦が装着したウェアラブルデバイスから収集した情報をもとに、適切な情報を提供する。ユーザーは、キャリアや健康に関する悩みなどについて、SNSを使っていつでも相談できる。
妊婦に会ってニーズを確かめると、実際に困っていることがあり、サービスを立ち上げてほしいとの声もあった。もともと、助産師を志した理由も女性にしかできない仕事だからだった。「私がやらなきゃ誰がやる」。使命感に駆られ、起業した。
つくば市で実証事業
起業後、すぐに茨城県つくば市の実証事業として採択された。1歳になる子どもの育児と、大学院の博士課程、実証事業、そして会社経営。多忙な生活だったが、定量的な成果を示すことができるようになると、「もっと広めたい」という思いが強くなり、今もその勢いで走り続けている。
より多くの妊婦をサポートするため、父親の加入する健保にサービスが導入されていれば、母親が別の会社に勤めていても夫婦で利用できる仕組みも整えた。「妊娠・子育ては日本で最大の社会問題」。自治体や健保への導入を軸に、妊娠・子育てを社会全体で支える考えを根付かせることを目指す。
プロフィール
関 まりか
富山市出身。助産師として500人以上の出産に立ち会い、その後、千葉大学大学院で「妊婦の身体運動」をテーマに研究。在学中の2022年にMamaWellを起業。
会社紹介
パーソナル助産師が、妊娠期~産後まで継続的にサポートする「MamaWell」を展開。ウェアラブルデバイスで可視化した身体的負荷に関する情報をもとに、マネジメントやコミュニケーションをサポートする企業向けレポートを提供する。