これからの時代(Era)をつくりだす存在となるであろう業界注目の若手経営者にフォーカス。そのビジネス観や経営哲学に迫ります。今回は「Finovo・久田隆大共同創業者兼代表取締役CEO」を取材しました。
不安の先に見つけた機会
監査法人、証券会社を経て起業後、約70社の見込み顧客にインタビューを実施した。相手が話す困りごとから、背景にある根本的な課題を読み取り、機能に落とし込む。開発の方向性が固まっても、「本当にこれでいいのか」と不安があった。起業後しばらくは自問自答の日々を過ごした。
財務データをもとに予実管理や将来予測を行うEPM(Enterprise Performance Management)ツールを製品化した。エンタープライズ企業は外資系ベンダーのEPMを利用しているが、運用には巨額の費用がかかり、コストが合わない企業は表計算ソフトでの複雑な管理を余儀なくされている。この空白地帯を狙うことで、グローバルプレイヤーからのリプレースや、表計算ソフトに依存していた企業への導入に成功した。
理屈に頼らない
もともと数字を扱うことが好きだからこそ、日本企業に足りないものは、事業データを経営判断につなげる力だと考えている。部門や拠点ごとに異なるシステムを使い、必要なデータは社内で分散している。経営企画部門は人材のローテーションによって専門性を蓄積しにくい。課題はあまたあるが、経営企画や経理・財務のあり方は「180度変えなければならない」と、変革への覚悟をにじませる。
未知の領域へ踏み出す際、全てを理屈で固めないことを重視している。理詰めでリスクを検証し続ければ、最終的には「やらないほうがいい」という結論に傾き、新たな挑戦に萎縮してしまう。顧客と対話し、現場を見て得られた感覚を、意思決定のよりどころにする。
仲間の変化に喜び
やりがいは、ユーザーからの「今まで見られなかった情報が確認できるようになった」といった声だ。現場を変えた確かな手応えを感じることができる。
仲間のライフステージの前進も大きな喜びだ。最近では、「家を買った」と従業員から報告を受けた。「一緒に働いている人たちは、自分にはない何かを持っている。強みを最大限に生かしてほしい」と期待のまなざしを向けている。
プロフィール
久田隆大
1992年生まれ。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。あずさ監査法人、バークレイズ証券を経て2021年11月にFinovoを創業。公認会計士。
会社紹介
大手~中堅企業向けに会計データを分析活用する管理会計プラットフォーム「Finovo」を提供。管理会計に関するコンサルティングも手掛ける。