その他
日本IBM、ソフト検証センター開設 “オープンさ”を示せるか
2002/12/16 21:12
週刊BCN 2002年12月16日vol.970掲載
12月11日、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)が「ソフトウェア・コンピテンシー・センター(SWCOC)」を東京・渋谷マークシティにオープンした。そこは今年6月まで日本チボリシステムズが使用していたスペース。チボリが7月1日付で日本IBMに完全統合され、パートナー企業がDB2、ウェブスフィア、ロータス、チボリというIBMのミドルウェアブランド4製品とISVのアプリケーションとの検証、システム構築を行う際の検証などを行っていく。
「初期投資に10億円かけた」(堀田一芙常務)というこの施設、サーバーだけでもIBM製品14台をはじめ、サン・マイクロシステムズ製品が5台、HPのサーバーが2台、富士通が1台、NECが1台と主要メーカーのサーバーが揃っている。ストレージもEMC、日立製作所、富士通、NEC製品がある。
さらに、これまでIBM内部にのみ公開してきた技術情報をパートナーにも公開する。「中小企業ユーザーにIBM製ソフトウェアを販売していく計画だ。その場合、製品が我々の手を離れて独り歩きしていくことになるので、小さなバグでも影響が大きくなる。そのような不具合をできるだけ初期段階で潰していくためにも、情報の公開が必要だと考えた」(堀田常務)という。
しかし、日本IBMでは、11月20日に東京・晴海に異機種サーバーを含むシステム検証のための施設「eサーバーコンピテンシー・センター(eSCOC)」をオープンしたばかり。あえてハードとソフト、異なる場所にコンピテンシーセンターをオープンした狙いを、堀田常務は次のように語る。
「ソフト、ハードの検証施設を1か所に集めてしまうと、利用するパートナー側に遠慮が出てくる。SWCOCではIBMのミドルウェアを積極的に使ってもらうようアピールしていくが、eSCOCではオラクルを使ったシステムの検証でも構わない。そこは割り切って、あえて2つの異なるコンピテンシーセンターとした」確かにセンターの看板に「IBM」の文字はない。12月11日のオープン記念パーティで、日本IBMの大歳卓麻社長は冒頭の挨拶でその点を強調、「徹底してオープンになる」と宣言した。
オープンアーキテクチャであることは、10月末に米本社のサミュエル・パルミサーノCEOが打ち出した「e-ビジネス・オンデマンド」戦略のベースになっている。日本IBMとしては、技術的なオープンさと、SWCOCのような施設を広くパートナーに活用してもらうマーケティング面でのオープンさを強くアピールし、パートナー拡大につなげていくことが狙いのひとつだろう。
現在、日本IBMが抱えるパートナーは、ハード、ソフト、サービス含めて約3000社。そのうち、ソフトウェアのパートナーとして登録している企業の数が1700社ある。ただし、この1700社は登録を行ったパートナー。つまり、実際は製品を販売していないパートナーもこの数に含まれる。今後は販売力があるパートナーを数多く育成していく必要があるだろう。
堀田常務は、「センターを作り、e-Japanビジネスを活性化し、さらにこれまでパートナービジネスが活発でなかったDB2、チボリでもパートナーを活性化させたい」と話す。10億円の投資に見合う成果を出せるのか、IBM自身のオープンな姿勢をパートナーがどう評価するかにかかっているといえる(三浦優子)
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