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大手SI、OSS事業に一段と熱! NECは「中小」、ユニシスは「大」狙う
2007/04/02 21:10
週刊BCN 2007年04月02日vol.1181掲載
国内の大手SIベンダーがオープンソースソフトウェア(OSS)関連の事業を拡大している。NECは米スパイクソース社と共同で、SMB(中堅中小企業)にOSS環境の提供を加速。既存パートナーのSIerやISVなどと展開する「量販モデル」の構築を急ぐ。日本ユニシスは大企業向けのミッションクリティカルな環境にOSSとJavaを利用したシステム構築・保守事業を本格的に開始。UNIX環境の代替システムなどとして、金融や流通業などへの浸透を目指す。ここにきて、OSS環境の導入に足かせだったサポート不足や運用面の問題点などが急速に解消。両社の取り組みで、大規模から小規模までOSS環境が普及しそうだ。(谷畑良胤(本紙副編集長)●取材/文)
サポート不足など課題解消で
■NEC、来年度に量販モデル構築
NECは昨年10月、OSS関連サービスを展開する米スパイクソース社と提携。代表的な商用OSSなどを組み合わせコンポーネント化した「スパイクソースコアスタック」と呼ぶ基盤を、SMB向けに提供を始めた。すでに、NECのIAサーバー「Express 5800シリーズ」とLinuxOSなどを一体化した「Linux版」モデルの販売を開始。5月には、同様の形式で「Windows版」もリリースする。
来年度(2008年3月期)初頭には、国内のSIerやISVなどのパートナーやNECグループが、OSS環境を拡販するための「量販モデル」を構築。国内市場で売れ筋の非OSSベースの業務アプリケーションを検証して、同コアスタックに組み込むことも計画している。
NECの高橋千恵子・OSS推進センターグループマネージャーは「米スパイク社の販路を利用して、国内ISVの製品などを世界に展開できる」と、国内に限らずアジアを中心に海外展開を模索している。
■ユニシス、体制整備を宣言
日本ユニシスは3月中旬、子会社で開発会社の日本ユニシス・ソリューション、保守会社のユニアデックスと、大規模システム向けにOSS環境の構築・保守体制を「一層強化する」と発表した。大規模システムで「.NET環境」構築のイメージが強い同社は、UNIX環境が後退するなかで4年前からOSSとJavaの研究を本格化した。
同社の伊藤佳美・OSSビジネスセンター長は「グループ全体で構築・保守などの一貫体制が整った」として、グループ横断の専任組織を新設するなど、「OSSビジネスを積極的に推進すると宣言する」と、初めてOSS事業が全社的に動き出したことを明言した。6月には、これまでシステム構築した導入事例をもとに、利用用途別に知財化して他社への「横展開」を始める。
計画によると、システム層を4層に分け、当初は、サーバーなどハードウェアなどインフラ層とミドルウェアのアプリケーション層で知財化したテンプレートを提供する。その後、業務に利用するビジネスプロセス層と社内データの活用などビジネス戦略層へと展開させる。既存の.NETビジネスとの関連については「OSSと.NETの混在環境は当たり前になっている。上手くすみ分け、両方のフレームワークを合わせたテンプレートを構築する」(伊藤センター長)計画だ。同社は、OSS関連事業で3年後に現在の約4倍弱に当たる年間300億円程度の売上高を目指す。
NECでも商用OSSの組み合わせ検証を経た「構築スイート」を、大企業と中堅企業向けに提供している。日本ユニシスが大規模へ進出したことで、現存のUNIXやメインフレームなどをリプレースする企業への拡販が激化しそうだ。
■推進団体、要望や課題の把握へ
一方、日立製作所や富士通、NEC、NTTデータ、日本IBMなどで構成するOSS推進団体「日本OSS推進フォーラム」はこのほど、新たに「ユーザー連携検討チーム」を新設した。SMBへの啓発やOSS活用に関する要望・調査を実施する。導入方法や運用管理、OSのバージョンアップ、セキュリティなどの課題を洗い出し、OSS環境の普及を目指す。このような不安が急速に払拭され、大手SIベンダーが大規模から中小規模までを網羅して、パートナーのSIerなどを巻き込む戦略を打ち出したことで、国内企業向けのOSS環境の導入が、一気に進みそうだ。
国内の大手SIベンダーがオープンソースソフトウェア(OSS)関連の事業を拡大している。NECは米スパイクソース社と共同で、SMB(中堅中小企業)にOSS環境の提供を加速。既存パートナーのSIerやISVなどと展開する「量販モデル」の構築を急ぐ。日本ユニシスは大企業向けのミッションクリティカルな環境にOSSとJavaを利用したシステム構築・保守事業を本格的に開始。UNIX環境の代替システムなどとして、金融や流通業などへの浸透を目指す。ここにきて、OSS環境の導入に足かせだったサポート不足や運用面の問題点などが急速に解消。両社の取り組みで、大規模から小規模までOSS環境が普及しそうだ。(谷畑良胤(本紙副編集長)●取材/文)
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