暗号化を基盤とした情報保護ソリューションを提供している米セーフネットのラス・ハバード日本担当 コーポレート バイスプレジデント兼ワールドワイド エンベデッド セールス担当バイスプレジデントに、日本市場で強化している販売施策を聞いた。同氏は昨年7月に就任、日本市場での戦略を統括している責任者だ。

　セーフネットは1983年にメリーランド州ボルチモアで創業し、暗号化技術を利用したソフトウェアやハードウェア、チップを含めた幅広い製品を手がけている。政府、金融などのエンタープライズ向けやOEMなどでプロダクト提供している。

　日本国内では「大手ハードメーカーに対してOEMによる技術提供を行っている」（ハバード氏）という。日本でも同じくエンタープライズ、OEMなどでビジネス展開しているが、OEMに関してはすでに大手に提供中であることから、エンタープライズ向けを中心に市場開拓を進めている。

　同氏は「需要は東（＝アジア）に移っている」としたうえで、今まで本社で考えてきた日本市場の見方や、戦略を変えて事業投資を行っていると話す。同社は01年から日本に拠点を置いているが、「今後は潜在している購買力を引き出していく必要がある」と課題を語る。「日本市場は急速に伸びることはないが、大きな市場であることは確かで、当社はこの市場で成長できる」と捉え、日本独自の施策を打ち出す方針だ。「ゆくゆくは日本の会社とみなされるような位置にまで日本法人を成長させたい」とも述べて、自社の日本での成功に自信を見せた。今後は「品質改善を積極的に行うとともに、顧客、SIer、パートナーとの関係を築き、ニーズを汲み取る『リレーションシップ・エキスパート』を増やすことで、市場を深耕したい」と強調する。同社は今年、日本市場の売り上げで15－20％まで成長が見込めると期待している。