EMCジャパン(諸星俊男社長)が、大規模システム向けストレージ機器「Celerra」を軸にして中堅企業の顧客開拓に踏み出した。需要を掘り起こすために同社が力を注ぐのは、販社とのパートナーシップ深耕。「Celerra」とソフトを組み合わせたパッケージ化や、セミナーの全国巡回、ウェブサイトでのプロモーション活動などを共同で実施する方針だ。製品強化については、VMwareとの連携強化した新機能をこのほど市場投入した。
「Celerra」で中堅企業の顧客開拓を図ることにしたのは、「仮想化の環境を構築したいと考える企業のすそ野が広がりつつある」(三保尚澄・グローバル・サービス統括本部プロダクト・ソリューションズ統括部アドバイザリー・テクノロジー・コンサルタント)ためである。世界同時不況の影響で、中堅企業の多くがシステム運用コストの削減を意識するようになった。最適化に向け、仮想化関連の製品やサービスの導入を検討する企業が増えたという。「これまでの仮想化案件は、まずは検証用にとか1部門だけといった形での導入が多い。そういった事情を勘案すれば、中堅企業に対してもミニマムで構築することを提案していくのが妥当だ」(三保アドバイザリー・テクノロジー・コンサルタント)としている。
中堅企業を開拓していくうえでEMCジャパンがポイントにしているのは、販社とのパートナーシップ深耕である。現時点での販社数は、1次店で22社、2次店を含めると73社に達している。中野逸子・マーケティング本部プロダクト・マーケティング部長は、「複数の販売パートナーと共同でさまざまな策を講じていく」方針を示す。具体的には、ディストリビュータの販社を中心にハードとソフトを組み合わせたパッケージの創造をはじめ、2次店やユーザー企業などを対象に全国規模でセミナーを開催することを念頭に置いている。また、販社による導入の成功事例をウェブサイトで掲載するなど、「共同プロモーションを進めていく」としている。まずは、EMCジャパンのサイトで提供し、「販売パートナー各社のサイトと当社のサイトをリンクさせるといったことにも取り組む」(中野部長)考えだ。
製品面では、「Celerra」をVMwareで統合管理できる機能「VMware環境向けEMC Celerra プラグイン」を提供開始。同機能は、仮想化の管理コンソール「VMware vCenter管理コンソール」と連携することで、VMwareの管理者が簡単にストレージ容量の追加や複製の作成などの作業を行えることが特徴だ。運用管理の効率化が図れるため、ユーザー企業側のメリットとして、少ない人員で管理できるようになるという。また、管理コンソールから簡単に仮想化単位で重複除外が行えるほか、最大50%までストレージ容量を削減できるなど、コスト面の問題も解決している。
これまで大企業を中心に顧客として獲得してきた「Celerra」を、販社への支援強化策や製品強化で中堅企業までに拡販を図ることにより、同社では「Celerra」関連のビジネスで「1.5倍の成長率を実現する」(中野部長)ことを計画している。「Celerra」関連ビジネスは昨年度(09年12月期)に2ケタ成長を遂げたという。販社への支援強化が順調に機能すれば、目標に掲げる成長率を達成できる可能性が高い。(佐相彰彦)