米シマンテックは、2007年に中国の華為技術(ファーウェイテクノロジーズ)と合弁会社を設立している。今年4月26~28日に開催したアジア・太平洋・日本(APJ)のイベントで、米シマンテックのエンリケ・セーラムCEOは現在の華為との取り組みについて言及した。

中国・海南島で開催したパートナーイベント
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| エンリケ・セーラムCEO |
シマンテックと華為技術は07年にセキュリティとストレージアプライアンスを開発・販売する合弁会社「Huawei Symantec Technologies」を設立した。華為は中国・広東省の深・に本拠を置く通信機器メーカーで、世界の大手通信事業者の多くが、華為製品を採用している。日本でもNTTドコモやイー・モバイルに対して製品を供給している。
シマンテックは昨年10月に、華為とともに開発したアプライアンスで、次世代ファイルシステム「Symantec FileStore」を発表している。シマンテックと華為のジョイントベンチャーの製品は、おもに華為が得意としている通信事業者や法人企業向けにグローバルで展開していく方針だという。エンリケ・セーラムCEOは「非常に伸びているし、今後も期待している。テレコム、エンタープライズのグローバル市場を勘案すると、成長の余地は大きい。製品も、今後多く出していく予定だ」と明言した。
シマンテックは、セキュリティ、情報管理、ストレージの三つの分野を事業として推進し、グローバルでのパートナーシップも強化している。先般、富士通を戦略パートナーとすることも合意した。富士通のサーバー「PRIMERGY(プライマジー)」とストレージ「ETERNUS(エターナス)」上にシマンテックのソフトウェアを搭載するなどして販売する方針が示されている。華為は勢いのある中国の企業ということもあって、世界的な不況にもかかわらず、09年の総売上高は前年比19%増の1491億人民元(218億米ドル)、純利益は183億人民元(27億米ドル、純利益率は12.2%だったという。
世界的にも影響力のある華為、欧州でのシェア獲得を目指す富士通との協業を果したシマンテック。同社の、とくにストレージ分野における動きが気になるところだ。(鍋島蓉子)