シスコシステムズ、ジェイズ・コミュニケーション、ブルーコートシステムズ、マカフィーとBCNは「SIer必見、ウェブセキュリティ対策市場攻略セミナーVol.1」を12月9日、東京・ベルサール八重洲で開催した。セミナーではウェブセキュリティ、とくに「セキュアWebゲートウェイ」を中心とした市場動向の説明やソリューションの紹介が行われた。

会場ではウェブセキュリティがもたらすビジネスチャンスを解説
セキュアWebゲートウェイに成長の余地あり
セミナーでは、まず調査会社ガートナージャパンのアナリストからセキュアWebゲートウェイに対する市場状況を説明。その後、シスコシステムズ、ブルーコートシステムズ、マカフィーの順に各社が提案するウェブセキュリティ対策にフォーカスしたセッションが行われた。セミナー後半には、登壇者3人と、週刊BCN記者によるパネルディスカッションが展開された。
ガートナージャパンのリサーチ部門セキュリティ担当 石橋正彦・リサーチディレクターが「今後期待される、セキュアWebゲートウェイ」をテーマに講演した。同氏は主に中堅・中小におけるセキュリティ対策の傾向を分析しながら、日本におけるウェブセキュリティ対策の現状をデータで詳しく説明。ガートナーが名づけ親となった「セキュアWebゲートウェイ」の定義や導入状況、製品分析なども行った。
セキュアWebゲートウェイとは、URLフィルタリングを前身とし、ウェブトラフィックから不要なソフトやマルウェアをフィルタリングして企業のポリシーを保護するセキュリティ製品を指す。URLフィルタリングを導入している企業が多いが、それだけではセキュリティに限界があると指摘する。
ガートナーが名づけた「セキュアWebゲートウェイ」ならば、接続先のウェブサイトにさらに海外サイトのURLが掲載されていた場合、海外のウェブサイトであっても安全性をチェックすることができるという。石橋氏は「多くのユーザー企業は海外に進出していることから海外サイトの対策も万全にしていく必要がある」とビジネスチャンスを語った。
最新の脅威と防御対策を説明
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ブルーコートシステムズ
水品巧シニア チャネル
システムズエンジニア |
セッションでは、はじめにシスコシステムズ ボーダレスネットワーク システムズ エンジニアリングの小林秀行・シニアシステムエンジニアが登壇。シスコが実現する新しいウェブセキュリティ対策について訴求した。セキュアWebゲートウェイ「Cisco IronPort WSA」やVPNクライアント「Cisco AnyConnect」、ファイアウォール製品「Cisco ASA」などで安全なインターネット環境を実現する「セキュアボーダレスネットワーク」を説明。あわせて、同社の研究機関「Cisco Security Intelligence Operations」と防御技術「SensorBase」についても紹介した。
続いてブルーコートシステムズの水品巧・シニア チャネル システムズエンジニアは、ウェブの進化に伴う課題と、ウェブセキュリティ対策について講演。クラウド技術について説明するとともに、販売代理店での製品提案の仕方を導入事例をもとに紹介した。
水品氏は「セキュリティを強化するとともに、ウェブ化が進んでいる業務アプリケーションの利便性を高めなければならない」と強調。それを実現する手段として、セキュアWebゲートウェイ「Blue Coat ProxySG/AV」で提供しているクラウド型の防御システム「Blue Coat WebPulse」による防御方法と、また利便性を高める帯域制御技術について話した。
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マカフィー
中山幹夫エンジニア |
最後に、マカフィー SE本部 パートナーSEの中山幹夫・エンジニアは、マカフィーのポートフォリオとクラウドベースの技術基盤「ガンブラーの防御対策」とテーマに、セキュアWebゲートウェイを活用した解決方法について説明した。ガンブラーなど、ウェブを騒がせる脅威は対応が難しくなっている。中山氏は「『McAfee Web Gateway』は感染ステップに応じた多段階の防御を実現する」とメリットを訴求。ガンブラーだけでなく、ぜい弱性をついた攻撃は後を絶たない。同氏は「ネットワークやシステム、ぜい弱性検査まで、包括的な総合セキュリティ対策を提供できるのはマカフィーだからこそできる」と力強く語った。
後半のパネルディスカッションでは、週刊BCNの谷畑良胤編集長がモデレータとして参加し、本紙木村剛士副編集長も交えて、ウェブセキュリティにおけるユーザーの実態と、メーカーが考えるこれからのビジネスチャンスについての議論が行われた。