2011年、古物商買取専門店おたからやを運営するいーふらん(渡辺喜久男社長)は、今年3月、トライポッドワークス(佐々木賢一社長)の企業向けオンラインストレージ「GIGAPOD(ギガポッド)」を導入した。従来、取引先やフランチャイズ加盟店との大容量データの受け渡しにはCD-Rを用いていたという同社。「GIGAPOD」の導入は、CD-Rを作成するための手間や人的リソースの削減につながった。
いーふらん
会社概要:2000年3月創業。貴金属、ブランド品、刀剣、金券、時計、宝石、切手、古銭に至るまで、その人にとっての「おたから」の買取を専門とする「おたからや」を全国200か所以上にフランチャイズ展開。買取品目の多さが強み。
プロダクト提供会社:トライポッドワークス
プロダクト名:GIGAPOD
GIGAPODでファイル配信
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広報部 インフラ推進課 小室茂充氏 |
いーふらんは、時計、貴金属や切手、古銭などの買い取りを行う「おたからや」をフランチャイズ展開している。これまで、フランチャイズ加盟店に対しては、チラシ用の大容量画像素材データなどをCD-Rに収録し、郵送で受け渡しを行っていた。フランチャイズ加盟店は200店舗以上にのぼり、600MBのデータをCD-Rにコピーするのに、4~5人をかけて2~3日の日数を要していた。いーふらんでインフラの整備を行っている広報部 インフラ推進課の小室茂充氏は「無料のオンラインストレージなどを検討していたが、大容量データを送付できるもので納得がいくものが見当たらなかった」と振り返る。
今年2月、以前から取引のあるOA機器の販売や通信・通話サービスなどを手がけるヴァンクールの担当者から「こんなものがあります」と紹介されたのが、トライポッドワークスの企業向けオンラインストレージ「GIGAPOD」だった。当時はサービスの内容など、詳しい話は聞いたものの、もらったパンフレットなどを机の上に置きっぱなしにしてしまったという小室氏。再度ヴァンクールから連絡が入り、半月間の無償トライアルができるようになったと聞いたときに、試してみようと思い立った。
小室氏は、「当社には、コンピュータに詳しいスタッフがいない。直感的に使えることが一番大事な要素だった。『GIGAPOD』を実際使ってみると、非常に使い勝手がよかった」と評価する。ほかの製品もざっと比較をしてみたものの、使いやすいことを実感した「GIGAPOD」の導入を決断した。価格を気にしたのは最終段階だったというが、1台90万円から(参考価格)と、安価な製品であることも決断を後押ししたようだ。
導入したのは容量250GBの縦置き型アプライアンス1台。2月中旬からテストを行い、その月の下旬には稼働にこぎつけたのだ。アプライアンスなので、すぐに使い始めることができた。セキュリティを担保する機能を搭載した「GIGAPOD」を使用することで、重要なデータも安心して受け渡しができるようになった。4~5人で2~3日かかっていたCD-Rの作成も、一つのデータをオンラインストレージ上にアップロードしておけばいいので、実質1人、ゼロ時間で業務をこなすことができるようになった。
小室氏は社内の他部署にも「GIGAPOD」を宣伝し、データの転送方法や共有フォルダの使い方など、よく使う機能に絞って簡単な紙の説明書を作成。それを各部署に配って回った。ときどき使い方がわからなくて聞いてくるスタッフもいるそうだが、「とりあえず、それらしいところをいじってみてください」で解決するとのことだ。
直感的な操作を実現した製品ではあるが、「ときどき画面上のパンくずリスト(ハイパーリンク一覧)で、どのフォルダを見ているかがわからなくなることがあるので、そこは改善してほしいですね」(小室氏)と要望している。 現在、社内で60台ほどのPCを運用している。現状の250GBの容量では到底足りないが、拡張自体が容易なので、将来は、これらのデータをバックアップする手段として、オンラインストレージの活用を視野に入れている。古物買取以外の業務でもフランチャイズ展開を計画しているので、今後はさらにGIGAPODの活用場面が増えていくことになりそうだ。(鍋島蓉子)
3つのpoint
・画像素材配布の手間を削減
・操作が分かりやすい
・アプライアンスの価格が安い