内田洋行のITソリューション東西地域会社のビジネスモデルが明らかになってきた。独自に開発した業種業務特化型アプリケーションソフトを主軸として地域でニッチトップを狙う。向こう3年で東西地域会社合わせて100億円規模の年商を目指す。ライバル他社にないオリジナルの業務アプリを前面に押し出すことで差別化を図り、収益力を高める考えだ。
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内田洋行 ITソリューションズ 新家俊英社長 |
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内田洋行 ITソリューションズ 西日本 土屋正弘社長 |
内田洋行は、東日本と関西・中部圏にあった6社のITソリューション系の地域子会社を東西2社に再編。東日本は内田洋行ITソリューションズ、関西・中部は内田洋行ITソリューションズ西日本として今年7月から本格的にビジネスをスタートさせた。東西地域会社がもつオリジナルの業務アプリは30種類を超え、同等規模のライバル会社に比べて幅広く品揃えしていることが強みだ。
例えば、東日本がもつ流通小売業向けPOP作成「LA・LA・POP」シリーズは千数百社を超えるユーザーを抱えており、墓石石材業向け「MICS」シリーズは1600社余りへの納入実績があり、石材CAD分野ではトップクラスのシェアを誇る。西日本も、鉄鋼流通業向け「鉄鋼MAX」や化学医薬業向け秤量システム「DoCS」など、特徴ある業務アプリを多数もっている。今回の東西IT系地域会社の再編で、「規模のメリットを生かすとともに、これまで以上に地域の業種業態に深く根ざしたビジネスを展開する」(内田洋行ITソリューションズの新家俊英社長)と、ニッチトップを狙う。
東西のITソリューション地域会社は、内田洋行グループのIT系主力商材であるERP「スーパーカクテル」や福祉施設向け「絆」シリーズなどについても、主に中堅・中小企業ユーザー層に向けての販売を担う。東西主要市場の中堅・中小企業を地域会社に移管したことで、内田洋行本体は準大手以上のユーザー企業への営業をより強化できる。「内田洋行本体との役割分担を明確にする」(西日本の土屋正弘社長)ことでビジネスの効率化を推し進める。
ただし、一部に課題も残っている。内田洋行の最大の強みは“IT”とオフィスや学校の“環境”を融合させる「情環融合」と称するユビキタス系のビジネスにある。今回の再編では、地域会社ベースでの環境系ビジネスとの融合が十分に進まなかった。東西地域会社は、向こう3年で再編直後の単純合算ベースの売上高より1割余り多い年商100億円を目指すものの、「今後、情環融合に向けた検討を行う」(新家社長)という動きが進展すれば、もう1ランク上の事業規模が狙えそうだ。(安藤章司)