NECグループのNECソフトにとって、自らの売り上げを増やすことは、グループの内製化率の高まりを意味している。外注費を抑えることでグループの収益力を高める構図だが、ことグローバルビジネス、とりわけASEAN地域では、コスト的にNECソフトによる内製化は現時点では難しい状況にある。NECソフトの古道義成社長は、「NECグループは、ASEAN地域でもITサービスビジネスを拡大している」というが、NECソフトによる内製化率は、依然、十分に高まっていないことが課題だ。

古道義成
社長 こうした状況のなかでも、中国については日本向けのオフショアソフト開発で培った厚い人材層を擁している。NECソフトが運営に深く関わる山東省済南のNEC軟件は、地元の協力会社も含めておよそ1000人体制に拡大しており、2012年10月には沿岸部の都市・青島に開発センターを増設。古道社長は、「青島ではNECグループが中国で受注する案件がメインになる」と、地場での開発力を拡充することで、競争力や収益性の向上を目指す。
青島地区では、ITを活用したエネルギーマネジメントシステム(EMS)関連の案件が進行中であるなど好調な滑り出しで、開発センターは向こう3年で約200人体制へ拡充していく計画。さらにアジア太平洋地域での開発拠点の拡充を視野に入れつつ、NECソフトのグローバル関連の売上高を2015年度をめどに直近の2倍に相当する100億円規模へ高めたいとしている。(安藤章司)