その他
ITソリューションを年率8%で伸ばす 高度成長への三つの柱とは
2013/03/07 21:03
週刊BCN 2013年03月04日vol.1471掲載
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)はITソリューション事業の売り上げを年率8%で伸ばす方針を打ち出した。2015年までの中期経営計画での実現を目指すもので、国内情報サービス市場の成長予測1~2%を大きく上回る。成長の主な柱は三つ。一つ目は2012年10月に開業した約2300ラック相当の大型最新鋭「西東京データセンター(西東京DC)」を活用したアウトソーシングビジネス、二つ目はSEの生産性向上、三つ目は海外関連売り上げの拡大を図る「Beyond JAPAN」である。
とりわけアウトソーシングやクラウド事業といった「ストック型ITサービス事業」の強化は、キヤノンMJグループにとって大きな挑戦となる。同社のITソリューション事業の生い立ちは、開発系SIerのグループへの取り込みをベースとするものだっただけに、ストック型ITサービス事業が手薄だった印象は拭えない。同社は、西東京DCの開業に合わせて、沖縄バックアップサイトでラック換算約200ラック相当を増床。総数で600ラック程度までキャパシティを増やした。こうした取り組みによって、売り上げを底支えするストック型ITサービス事業比率を直近の20%を少し上回る数字から29%以上へ高める目標を掲げる。
二つ目のSEの生産性では、2015年までに2012年比で40%の向上を目指す。キヤノンMJアイティグループホールディングス(キヤノンMJ-ITHD)の浅田和則社長は、「改善の余地はまだ十分にあるので、達成は可能だ」とみる。実は、キヤノンMJグループのITソリューションセグメントの2012年12月期の売上高1313億円に対する営業利益はわずか2億円。11年度は31億円の赤字だった。利益率は徐々に改善しているとはいえ、13年度の見込みは7億円と、売り上げ規模の大きさに比べて“超低空飛行”の状態が続いている。採算性がよくないシステム開発プロジェクトが足を引っ張っている部分もあり、改善は急務だ。
三つ目の「Beyond JAPAN」では、2012年にタイとフィリピンの拠点を開設。ほかにも上海と蘇州に拠点を展開済みでアジア地域では計4拠点体制となった。「グローバル対応可能なスキルをもつ人材をリスト化した『グローバル人材バンク』は100人規模に増えた」(浅田社長)と、人材育成にも取り組むことで2015年をめどにBeyond JAPANの比率を10%程度に高めていく方針だ。
高い売り上げ目標を掲げる一方、2015年のITソリューションセグメント営業利益率の見通しは3%程度と、依然として低空飛行の状態が続く。ストック型ITサービスやクラウド、海外展開、人材育成などへの先行投資がかさむことを示唆しており、2015年以降の高収益体制の確立に向けたチャレンジと試練の時期が続くといえそうだ。(安藤章司)
キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)はITソリューション事業の売り上げを年率8%で伸ばす方針を打ち出した。2015年までの中期経営計画での実現を目指すもので、国内情報サービス市場の成長予測1~2%を大きく上回る。成長の主な柱は三つ。一つ目は2012年10月に開業した約2300ラック相当の大型最新鋭「西東京データセンター(西東京DC)」を活用したアウトソーシングビジネス、二つ目はSEの生産性向上、三つ目は海外関連売り上げの拡大を図る「Beyond JAPAN」である。
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