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<指令! 海外成長市場を獲得せよ──SIerは中国・ASEANをめざす>第6回 SI単体では地場で売りにくい
2013/05/16 21:03
週刊BCN 2013年05月13日vol.1480掲載
中国に進出するSIerの成否の要因をみると、業種・業態に影響されにくいDC(データセンター)などの基盤系商材は、地場のユーザー企業に売りやすいのに対し、日中の商慣習の違いに大きく影響されてしまうSIビジネスは、よほど中国での納入実績がなければ難しいようだ。
DCは奪い合い、M&Aや合弁も有効
DCについては、年率25%を超える高度成長を続ける中国情報サービス市場で慢性的な不足状態が続いている。京セラコミュニケーションシステム(KCCS)上海法人の中井一夫総経理は、「金融都市の上海地区では、銀行の基幹系システムの運用に耐えうるティア3以上の高規格DCは奪い合い」の状況だという。国内でDCの運用実績が豊富なKCCSとしては、「将来構想レベルではあるが、何らかのかたちで自分たちで中国のDCを運営したい」と、DCをベースとしたビジネスへの意欲を示している。
SIerの海外進出にあたり、大きくは(1)既存日系顧客のITサポートと、(2)地場ユーザー企業からのSI案件獲得の二つのビジネスターゲットが挙げられる。仮に後者をメインと位置づけるならば、(1)→(2)への移行は前述の通りハードルが高いうえに、時間もかかる。そこで有力な手段として登場するのがM&Aである。NTTデータは欧米で地場有力SIerに向けた積極的なM&Aを展開。欧米各国でのSI実績と顧客基盤を得た。
中国では規制が厳しく、合弁方式が主流ではあるものの、地場での豊富なSI実績と顧客基盤をもつ中国SIerに対するM&Aがなければ、日系ユーザー企業以外の顧客をスピード感や一定の規模感をもって獲得するのは、困難であることが多いとみられる。(安藤章司)
中国に進出するSIerの成否の要因をみると、業種・業態に影響されにくいDC(データセンター)などの基盤系商材は、地場のユーザー企業に売りやすいのに対し、日中の商慣習の違いに大きく影響されてしまうSIビジネスは、よほど中国での納入実績がなければ難しいようだ。
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