ネットワールド(森田晶一社長)は、10月10日、都内でパートナー向けのイベント「ネットワールド IBM Day 2013」を開いた。同社は日本IBMのソフトウェアVAD(Value Added Distributor)で、商材として扱っているIBM製品の最新情報を発信したほか、日本IBMの担当者がパートナー戦略の概要を説明した。また、ネットワールドの有力パートナーが、自社のIBMビジネスを紹介。さらには、懇親会でパートナーリセラーと日本IBMの担当者の人脈形成も支援するなど、多彩なプログラムが参加者の好評を博した。(取材・文/本多和幸)

(左から)ネットワールド 森田晶一 社長、日本IBM ソフトウェア事業 パートナー事業部長理事 神宮哲也氏OpenStackに注目
冒頭、自社のビジネスについて解説した森田社長は、「IBMには、当社ビジネスの基盤となるベンダーとして長年ご支援いただいている。2002年にIBMソフトウェア製品のVAD認定を受けて以降、10年間で関連事業の売り上げが10倍以上伸びた」と、IBMビジネスが極めて順調であることをアピールした。
その要因について森田社長は、「きめ細かな付加価値のある情報と高いスキルをリセラーに提供するとともに、関連パートナーとのジョイントプロモーションを精力的に行ってきた。さらに、IBMの戦略に従い、投資していただけるリセラーにはそれに見合うリターンを得ていただくという前提で、リセラーへの啓発活動に積極的に取り組んだことがビジネスボリュームの拡大につながった」と分析した。
昨今のトレンドとして注目している分野として、「クラウド」に言及した。「一つのキーインフラとしてOpenStack(オープンソースのクラウド基盤ソフトウェア)にどう取り組むか検討している。ただ、Linuxにはレッドハットというしっかりしたディストリビュータが存在しているが、OpenStackにはそういう企業はまだ出てきていないので、しばらく様子をみざるを得ない」と説明。ネットワールドのテクノロジーパートナーであるヴイエムウェアが提唱する「Software-Defined Data Center(SDDC)」にもできるだけ早く追随したいとし、「ネットワークの仮想化や、コモディティ化した安価なハードウェアを仮想化して、ソフトウェアで制御することでハイパフォーマンスを引き出すようなテクノロジーにも挑戦していく」と語った。
IBMはマーケティング支援を強化
日本IBMからは、ソフトウェア事業パートナー事業部長理事の神宮哲也氏がソフトウェア事業のパートナープログラムについて詳細を解説した。神宮氏は、ネットワールドに対して「技術力が高く、新しい商材を吸収して、いち早くパートナーに提供してくれている。ディストリビュータとしてのロジスティクスの支援に加えて、マーケティング、営業、テクニカルスキル向上などの支援もIBMと一緒にやってほしい」とコメントし、VADとしての活動を高く評価した。
また、パートナープログラムについては、「報奨制度『ソフトウェア・バリュー・インセンティブ(SVI)』の利用が2012年後半から劇的に増え、案件の獲得拡大につながっている」とした。また、案件発掘のためのマーケティング費用の最大50%をIBMが支援する「マーケティング支援金プログラム」を7月にアップデートしたことも紹介。「新規パートナーや新規ブランドは、IBMがマーケティング費用を100%支援する。制度がより使いやすくなった」と強調した。
パートナーのIBMビジネス紹介では、日立ソリューションズ サービスビジネス第2部ライセンスグループの杉本隆幸氏、SRA 産業第1事業部次長の金本昌秀氏、茨城日立情報サービス 営業部第一ソリューショングループの八代祐樹氏、パナソニックネットソリューションズ 営業本部ソリューション営業部営業2営業所担当課長の齋藤弘幸氏が登壇。それぞれがIBM製品を活用したビッグデータ、BI、BPM、データマイニング、仮想化などのソリューションを紹介した。

(左から)日立ソリューションズ サービスビジネス第2部 ライセンスグループ 杉本隆幸 氏、SRA 産業第1事業部次長 金本昌秀 氏
茨城日立情報サービス 営業部 第一ソリューショングループ 八代祐樹 氏、パナソニック ネットソリューションズ 営業本部 ソリューション営業部 営業2営業所担当課長 齋藤弘幸 氏