労働力の確保が年々困難になっていくという社会情勢を背景に、人の代わりにPCのオペレーションを担うRPA(Robotic Process Automation)ツールが一気に市場を広げている。ユーザーニーズに提供側が追いつかないという状況にある。特に体制強化を求められているのが、海外勢だ。国内SIerなどのパートナーが導入と運用をサポートしていても、RPAツールの開発企業が国内体制を整えているかどうかで、ユーザー企業の印象が大きく変わってくる。

代表取締役社長に就任した杉原博茂氏(写真左)と
米オートメーション・エニウェアのミヒール・シュクラCEO

 RPAツール「Automation Anywhere」を提供する米オートメーション・エニウェアは、市場ニーズに応える形で日本法人を設立し、スリニ・ウナマタラ氏が日本代表を務めてきたが、代表取締役社長は空席となっていた。その代表取締役社長に9月3日付で就任したのが、日本オラクル前社長の杉原博茂氏である。杉原社長は日本オラクル時代に「The Power of Cloud by Oracle」を掲げ、オンプレミスが中心だった同社のビジネスをクラウドへと大きく舵を切る役割を担った。2017年6月に日本オラクルの社長を退任し、会長に就任。その会長職も、同年11月に退いていた。

 オートメーション・エニウェア・ジャパンは9月5日、自社イベント「IMAGINE TOKYO」を開催。米オートメーション・エニウェアのミヒール・シュクラCEOが、基調講演のなかで杉原社長を紹介し、日本市場への注力をアピールした。杉原社長は「オートメーション・エニウェアは、いわば“どこでも自動化株式会社”。素晴らしいテクノロジーを持っている」と語った。

 オートメーション・エニウェアは、これまでのIT活用で効率化された業務は約20%で、残りの80%を担うことを目指している。それを実現する機能として提供しているのが、人間の行動から学習する「IQ Bot」。RPAでは難しいとされる非構造化データを用いたプロセスの自動化を実現する。

 期待度が上がる一方で、まだ発展途上のRPAツール。競合も多い中で、同社が強みとするテクノロジーをどうアピールしていくのか。杉原社長の手腕が試される。(畔上文昭)