freee(佐々木大輔代表取締役)は11月8日、報道関係者向けのラウンドテーブルを開き、今年5月に発表したAPIエコノミーの形成を目指す「オープンプラットフォーム戦略」の進捗状況について説明した。同社は人事労務関連の外部サービスとのAPI連携を強化しており、自社プロダクトを中心としたエコシステムを形成することで、会計だけでなく人事労務などサービス全体の価値の向上を図っている。

プロダクトマーケティング
APIエバンジェリスト
水野谷将吾氏

 近年、企業におけるクラウドサービスの利用が拡大している。同社によると、1社当たり平均で3~4種類のクラウドサービスを利用しているという。しかし、「各部門や各業務においてはクラウドサービスによって最適化されているが、全体で見た場合にはシステム間での連携が取れず、非効率的な作業が発生している。多くは個別最適であって全体最適になってない」とプロダクトマーケティングAPIエバンジェリストの水野谷将吾氏は指摘する。

 また、freeeはこれまでスモールビジネスにフォーカスしてサービスを提供してきたが、ユーザー数の増加に伴って顧客の規模や業種・業態が多様化し、自社だけで全てのニーズに応えることが難しくなってきたという。そのため、オープンプラットフォームとしてさまざまなサービスとの連携を可能にし、あらゆるニーズに応えていく方針を固めた。2018年7月時点で、3819の金融機関、サービスと連携しているという。

 現在、同社が特に強化しているのは、給与計算や勤怠管理、年末調整などの労務手続きを支援するサービス「人事労務freee」と外部サービスとの連携だ。

 今年7月には、ヒューマンテクノロジーズが提供する勤怠管理クラウドサービス「KING OF TIME」との連携を開始。KING OF TIMEで集計した勤怠データを人事労務freeeへ移行できるようになった。また、11月にはチャットツールの「Slack」と連携し、Slack上から人事労務freeeへ直接勤怠を打刻したり、勤怠情報の参照や給与明細の発行通知を送信したりできるようにした。

 さらに、年内には、SmartHRが開発するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」との連携を予定する。給与計算を得意とする人事労務freeeと行政手続きを得意とするSmartHRが連携することで、互いに機能を補完し合う狙いだ。

 人事労務関連サービスとの連携に注力する理由について水野谷氏は「人事や勤怠という領域は企業ごとに特色があり、クラウド化は進んでいるものの圧倒的シェアを獲得しているプレイヤーがいない」と説明。「当社単体で全てのシェア獲得は難しく、何社かで連携してユーザーのニーズに応える」と連携の意図を強調した。(銭君毅)