ウェブサーバーソフトウェア「NGINX」の商用ライセンスを提供する米エンジンエックスは2月7日、東京にオフィスを開設し、日本市場でのビジネスを拡大する方針を発表した。NGINXはオープンソースで開発されているウェブサーバーで、同じくオープンソースの「Apache(アパッチ)」や、マイクロソフトの商用製品「IIS」などと市場シェアを競っている製品。

(左から)中島健カントリーマネージャー、創設者のイゴール・シソーエフCTO、ガス・ロバートソンCEO

 NGINXは多機能ながら、大量のアクセスが殺到するウェブサイトでも高速に動作するのが特徴となっており、エンジンエックスによるとウェブサーバーのシェアでは世界2位だが、アクセス数の多い世界上位10万サイトに限ってみれば、シェア60%で首位だという。多くのウェブサイトでは無償のオープンソース版を利用しているが、同社ではこれにロードバランサーや管理機能、サポートなどを追加した商用版「NGINX Plus」をサブスクリプション形態で販売している。

 日本市場では2014年からサイオスが販売パートナーを務めており、今年からマクニカネットワークスも加わり、国内のウェブサービス事業者やSIer向けに製品を提供している。日本オフィスの代表に就任した中島健カントリーマネージャーによると、日本での商用版導入の件数自体は少ないが、同社の販売金額トップ10の上得意客のうち、実に5社が日本の顧客といい、事業の伸びしろは大きいとみている。

 記者会見で同社が特に強調したのが、2017年にリリースしたアプリケーションサーバー「NGINX Unit」だ。PHP、Ruby、Python、JavaScriptなど異なる言語で書かれたアプリケーションを単一のサーバーで実行できるのが特徴で、外部公開するウェブサイトだけでなく、マイクロサービス化を進める企業の業務アプリケーションをホストする基盤にも適している。同社のガス・ロバートソンCEOは「企業は古い技術ではデジタルトランスフォーメーション(DX)に対応できない」と述べ、ウェブ業界のみならずDXを推進する一般企業でも採用拡大を目指すとしている。(日高 彰)