データ・アプリケーション(DAL、武田好修社長)は、情報流通プラットフォーム事業の拡大を推し進める。同社は、企業間の受発注データ交換ソフト「EDI(電子データ交換)」でトップクラスの実績を持つ。だが、国内EDI市場は中長期的に見れば成熟市場になる見通し。そこで、EDIで培ってきたデータ交換のノウハウを生かし、2022年3月までをめどに情報流通プラットフォームを軸とした事業形態への移行を目指す。

武田好修
社長

 DALが取り組む情報流通プラットフォームは、企業内・企業外のデータを、運用権限を細かく設定した上で、安全に流通させるというもの。商品の受発注や在庫、出入庫などのデータを、企業グループ内だけにとどまらず、サービスプロバイダーなどを通じて取引先企業とも共有できるようにする仕組みだ。DALがここ数年かけて開発に力を入れてきた企業データ連携基盤ソフト「ACMS Apex(エーシーエムエスエイペックス)」を使って実現する。

 ACMS Apexは、EAI(業務アプリケーション連携基盤)システムなどの企業内のデータ共有の仕組みと、受発注データなどの企業間でやりとりするEDIの仕組みを統合。「企業内と企業間の両方をシームレスに連携する情報流通プラットフォームの役割を担う」と、武田社長は位置づける。

 販売に当たっては、DALのEDI製品を使ってVAN(付加価値通信網)サービスや、EDIアウトソーシングサービスを提供するサービスプロバイダーなどのビジネスパートナーを経由し、ユーザー企業に届けるチャネルを主軸に据える。ビジネスパートナーは、ACMS Apexをユーザー企業に納入するときのシステム構築(SI)ビジネスを担うとともに、納入後の企業間データ連携で発生する手数料などの課金ビジネスを手掛ける。なお、DALのビジネスパートナーは、EDIを手掛けるSIerやVAN事業者などで構成されており、情報流通プラットフォーム事業においても既存のパートナーが主体となる。

 情報流通プラットフォームを巡っては、BOXなどのコラボレーションサービスや、クラウド/SaaSベンダーが存在感を高める可能性がある。企業間データ連携の代表格であるEDIは、ユーザー企業が属する業界特有の商慣習や手順が参入障壁となっており、DALもその障壁に守られてきた。しかし、今後、インターネットをベースとするEDIへの移行が進むことで、「EDIの特殊性が薄れ、有力なプラットフォームベンダーが一気にシェアを獲得することが考えられる」(DALの藤野裕司エグゼクティブ・コンサルタント)。

 DALは、競争環境の変化を先取りする形で、ビジネスパートナーとともに情報流通プラットフォームのエコシステムを構築。EDIメーカーから脱却しつつ、3年後には昨年度に比べて約3割増となる30億円の売り上げを目指す。(安藤章司)