オープンテキストは、主力のEIM(Enterprise Information Management:企業情報管理)ソリューションの販売を強化するため、国内のデータセンター(DC)を通じた提供を開始した。オープンテキスト日本法人によると、ここ2年の間にSAPのS/4HANAを導入した国内ユーザーの7割以上が、同社のEIMソリューションをあわせて採用しているという。文書ファイルやメールなど、基幹システムに格納されない非構造化データを素早く取り出せるようにすることで、業務の効率化や収益性の改善を行いやすくするのが狙いだ。

 カナダに本社を置く同社は、当初企業向けの検索エンジンや文書管理ソフトを主力としていたが、2004年にSAP向けの文書アーカイブソフトを手掛ける独イキソスを買収して以来、ERPとEIMの連携に力を入れてきた。企業はERPを導入することで経営状況を可視化できるが、例えばある商品に関して収益性の改善が必要と判断された場合、商談で使用された提案資料や帳票、顧客とのメールのやりとりといった過去データの参照が必要となる。多くの場合、これらのデータはファイルサーバーやSaaSアプリケーション、従業員各自のPCなどに保存されており、必要なデータにたどりつくまでに多くの時間を要する。

 このようなデータベースに格納されない非構造化データの管理に特化したのが同社のEIMソリューションで、これを用いることで、ERPなどの業務アプリケーションから、業務プロセスをキーにして関連するさまざまなデータにアクセスできる。
 
反町浩一郎社長

 同社日本法人の反町浩一郎社長は「ホワイトカラーは業務時間の約25%を情報の検索に費やしているという見方もある。調査会社のリポートによると、ERPだけを利用している企業に比べ、EIMを合わせて導入した企業は意思決定の速度が3倍速い」と説明。ERPで分かる情報は、一連の業務プロセスを経た「結果」でしかなく、業務プロセス自体の見直しや新たな収益創出のためには、ERPと非構造化データの統合が不可欠になると強調した。

 従来はオンプレミスまたは海外のDCを利用したSaaS形態での提供だったが、11月に国内DCからのEIMソリューションの提供を開始した。大手企業でも“クラウドファースト”の動きが広がっており、国内DCの稼働でさらなる導入拡大を狙う。

 販売においてはSAPとのパートナーシップを重視しており、今年9月にSAP専任の営業チームを組織した。また、Office 365やAzureとの連携強化のため、マイクロソフトとの協業も加速する方針。人事システムなどでのEIMのニーズも高まっており、各種業務アプリケーションを扱うさまざまなベンダーとの連携を模索していく。(日高 彰)