業務ソフトベンダーなどでつくる電子インボイス推進協議会(EIPA)は12月14日、2023年10月のインボイス制度の導入に向け、日本国内の電子インボイスの標準仕様を国際規格「Peppol(ペポル)」に準拠して策定することを決定したと発表した。EIPAの代表幹事法人を務める弥生の岡本浩一郎社長らは同日、内閣府に平井卓也デジタル改革担当大臣を訪ね、政府に対して協力を求める提言書を提出した。

平井大臣(左端)に提言書を手渡す岡本社長(左から2人目)、和田社長(同3人目)、内田会長

 面会は冒頭だけ公開された。岡本社長は、今年7月にEIPAが発足し、これまでに日本の電子インボイスの標準仕様について議論してきたことなどを説明し「Peppolは世界30カ国以上で既に利用されている。これが日本の標準仕様のベースとして一番望ましいとの結論をEIPAで出した」と述べた。

 その上で「官民一体となってやらなければ、(標準仕様の策定は)到底成立しない」との考えを示し、▽Peppolの運営管理組織である「OpenPeppol」との交渉などについて政府が積極的な役割を担うこと▽Peppolの枠組みの中で「日本標準仕様」に関わる適切な管理・運用体制を政府が構築すること▽電子インボイスの普及・活用に向けて事業者が利用しやすい仕組みを設けること――の3点を盛り込んだ提言書を平井大臣に手渡した。

 平井大臣は「国としても一緒にやらせていただきたい。Peppolで進めていくことは大賛成」と前向きな姿勢を示し、「受発注から請求、会計、税務処理と、ものすごく生産性が上がる可能性がある。(来年創設される)デジタル庁の初仕事にちょうどなるので、フラッグシッププロジェクトとしてやらせていただく」と話した。

 訪問には、EIPAの幹事法人を務めるSAPジャパンの内田士郎会長と、EIPAの設立発起人となったオービックビジネスコンサルタント(OBC)の和田成史社長も同行した。

 平井大臣との面会後、内田会長は「紙を電子化するのではなく、デジタルを基本にしてプロセスを全部変えていくことが重要。世界標準とつながることで業務が圧倒的に効率化し、日本企業の競争力の強化につながる」と期待感を示し、和田社長は「企業の受発注や決済などを自動化するデジタル改革の第一歩になる」と語った。

 提言書によると、Peppolは、文書仕様やネットワーク、運用ルールなどに関する包括的な国際標準規格で、欧州を中心に採用されている。近い将来、アジアも含めた欧州域外での利用が急激に進むことが想定され、受発注や請求といった電子文書のグローバルスタンダードになる可能性が高いという。(齋藤秀平)