クオリティソフトは1月14日、無償のPC脆弱性診断サービス「PCドック」の提供を開始した。診断結果に基づいて必要な対策を提示することで、PCのセキュリティ強化を支援する。既に大興電子通信など数社のパートナーが先行してパイロット提供をしており、1000社を超える企業が利用登録しているという。
PCドックの管理画面。診断書も用いて脆弱性を解説する
PCドックは、エージェントをPCにインストールするだけで、「OSの脆弱性」「ブラウザの脆弱性」「ウイルス対策ソフトの更新情報」「危険なアプリの有無」「HDD暗号化実施の有無」を診断できる。結果は項目ごとに脆弱性のレベルに分けてグラフ化して表示する。クオリティソフトは2007年から、クラウド型IT資産管理「ISM CloudOne」を提供しており、その知見を生かして診断を実施する。
脆弱性の詳細や対処方法は、診断書を用いて解説する。その際、対策として同社の製品や販売パートナーが扱う製品が表示される。ユーザーは、表示された製品を1カ月間無料で試すことが可能だ。
コストを理由に有償診断サービスの利用を断念する企業が多い一方、サプライチェーン攻撃が増加。中堅中小企業にも強固なセキュリティ環境の構築を求められようになっており、同社の飯島邦夫・取締役CMOは「セキュリティを強化する上では、現状を把握することが大切だ。無償提供することで、中堅中小企業(のセキュリティ対策を)を支援していきたい」と語る。
同社は、「Windows Defender」の設定状況やマルウェアの検知状況を可視化する「Defender Control」や、PC操作ログを収集する「ISM LogAnalytics」などで構成するクラウドサービス群「QUALiTY SUITE」を展開しており、PCドックもQUALiTY SUITE内のサービスとして提供する。飯島取締役CMOは「当社は『クラウドカンパニー』を目指している。今後もQUALiTY SUITE内のサービスを拡充していく」と述べた。
(岩田晃久)