NTTソフトウェアは、2000年度(01年3月期)から3年連続の赤字。組織全体が苦境に喘ぐ。そんななか、エンタープライズ分野で異彩を放つ部隊がある。それが「システム統合事業ユニット」だ。
その担当長が小泉信義氏。コンサルティング会社との共同プロジェクトに参画し経営感覚を身に付けた38歳の中堅“技術屋”だ。
世の企業内システムが「分散化」に向かう00年。「EAI(企業内アプリケーション統合)に目が向いた」。いち早く「システム統合」戦略へ進み、主力ソリューションへ育てた。
「10年以上かかってでも、自分達の仕事場を活気のあるものにする『フロンティア』になりたい」
「8時間がシステム開発、8時間が顧客交渉」の1日16時間労働。入社当初、電話交換機の「国産トロンOS」上のミドルウェア開発に携わった。現在、「“客先回り”は主業務」だが、「開発からも手を離せない」と、長時間労働を苦にしない。
「国内EAIの先駆者」として、異業種の企業からCTO(最高技術責任者)への招聘の声も増えた。
「ありがたい話だが、現状に何の不自由もない。やるなら、自分で会社を興す」
しばらくは、「当社のITソリューションで企業の生産性を高めるのが仕事」との精神を貫く。
プロフィール
小泉 信義
(こいずみ のぶよし)1964年12月、東京都大田区生まれ。88年3月、東海大学理学部数学科卒業。88年4月、NTTソフトウェア入社。第二開発部に配属。98年、同社経営企画部の課長補佐に就任。その間、マッキンゼーと共同プロジェクトに参画したほか、SAPタスクフォースリーダーを担当。00年、市場開発部の課長に就任。01年、EE事業部の課長。03年4月から現職。