アフリエイトアドは、SRAの社内ベンチャー制度を活用して今年4月にスタートした。舟橋夢人・取締役バイスプレジデントは、ビジネスモデル立案から会社設立のための業務まで、1人で手がけてきた。SRAは、資本金3000万円を提供したこと以外、全く手を出していない。
アフリエイトアドは、インターネット広告事業を手がける。一般消費者にホームページ開設のためのソフトを無料で配布。このソフトで生まれた人気サイトを媒体として広告費を稼いでいる。
ネット広告ビジネスに可能性を見出し、4─5年前から事業化を計画した。IT業界団体のビジネスモデルコンテストに応募したこともあったが相手にされず、結局、SRAでの仕事の傍ら個人事業として始めた。
社内ベンチャー制度を活用し、法人としての事業化を打診した際、鹿島亨・SRA社長はじめ役員には、「個人で事業展開していた時、どれほど儲かったか、実際の貯金通帳のコピーを見せて納得させた」と、ビジネスモデルには絶対の自信を持つ。
法人向けソフト開発を得意とするSRAからは生まれてこないビジネス。関連性はわずかに、無料ソフトの基盤に使われる、SRAが長年にわたって力を注いできたオープンソースソフトウェア(OSS)の技術のみ。
ソフトをつくり、売ることに強みを持つSRAから、無料ソフトを利用したネットサービスを生み出したのが舟橋取締役バイスプレジデント。SRAのDNAを継承しながら、社内ベンチャーが新領域に挑む。
プロフィール
舟橋 夢人
(ふなはし ゆめと)1965年、滋賀県守山市出身。88年3月、福岡工業大学通信工学科情報処理専攻卒業。同年4月、SRA入社。ソフトウェア開発業務に従事した後、経理部に配属。社内情報システムの開発および運用・保守業務を担当。その後、大手顧客のネットワーク運用・管理業務に携わる。03年、SRAが社員向けに行う新規ビジネスモデルコンテストに、アフリエイトアドのビジネスモデルであるインターネット広告事業を応募し、優秀賞を受賞。04年から実証実験を行う。05年4月1日、SRAの100%出資でアフリエイトアドを設立。取締役バイスプレジデントに就任。