ヤマダ電機では、多くのサポート・サービスを有償で提供している。パソコンの初期設定やデータ移行、デジタル家電の出張設置など基本的なものから、パソコンにベンチャー企業のソフトをインストールして提供するサービスまで、メニューは300を超える。そのほとんどを、高山佑亮が創りあげた。
「お客さまが“面倒くさい”と感じることを取り除く」ことが信条。家電量販店は商品を売ることだけが目的ではない。販売した後の顧客支援を常に考える。しかも、無償だからいいというわけではない。「有償だからこそ、お客さまが満足するものを提供していかなければならない」。さまざまなニーズに対応するため、充実したラインアップを揃えているわけだ。
有償サポートをコンセプトに据えているのは、米国の最大手家電量販店であるBestBuyのビジネスモデルをヒントにしたという。ヤマダ電機のサポートには、「サービス=無償」という日本流ではなく、「サービス=有償」という米国流の考え方が根づいている。有償サポートが顧客満足度を高めていく源泉になっているのだ。当然ながら、業績面では利益率を高めることにつながる。
現状のサポートが完璧というわけではない。サービスの「品質を追求していく」ことに余念がない。例を挙げれば、人材だ。顧客が求める最高のサポートをメニュー化しても、実際に提供するサポート要員に高いスキルが備わっていなければ意味がない。「トレーニングや評価制度などを取り入れて、サポートスキルのレベルを引き上げていく」。所属部署のスタッフを教育するほか、各店舗や提携先のサポート業者などにも「ヤマダのサポート」を浸透させる。そのために、週の大半は全国を飛び回っている。(文中敬称略)
プロフィール
高山 佑亮
(たかやま ゆうすけ)1982年、神奈川県生まれ。サポート関連業者で業務に従事。そのノウハウを生かし、06年にヤマダ電機に入社、サポート関連事業に携わる。同社で、サポート・サービスのメニューを数多く創り出している。現在は、全国を飛び回る日々が続いている。