和田幸子は、SaaS型業務アプリケーション「GLOVIA smart きらら 会計/人事給与」の拡販戦略を担うプロジェクトのリーダーを務めている。
もともとエンジニアとして就職した和田だが、「『一番』にチャレンジする」を信念に業務の幅を広げ、ウェブサイトを活用したプロモーション手法を確立した。
現在、富士通マーケティングでは「きらら」の商品説明やデモンストレーションをウェブサイト上で行う「ウェブ営業」を展開しているが、これは和田のチャレンジ精神が生み出したものだ。
「きらら」を発売した当初、社内にはSaaSビジネスでの販売手法が確立されていなかった。そこに目をつけた和田は、「ウェブ営業」のコンセプトを考案した。「顧客を訪問しないで製品を売ることなんて無理だ」という意見が多かったが、和田はウェブプロモーションの経験から、「どうすれば顧客がウェブサイトを訪問して、コンタクトを取ろうとするのかを知っていた。だから、営業スタッフが顧客を訪問しなくても商談がうまくいくと確信していた」。プロジェクトは縮小を余儀なくされたものの、「ウェブ営業」を2011年末に開始して以降、問い合わせ件数は順調に増え、成果を出し始めている。「対面式ではないので、リラックスして商談できる」と顧客には好評のようだ。
「ウェブ営業」への挑戦によって、SaaSビジネスの“売り方”を編み出した和田。「次は、グローバルビジネスに挑戦したい」と思いを語る。休暇を使って米シリコンバレーに赴き、富士通の現地法人やベンチャー企業を視察するなど、独自の調査を進めている。「仕事は趣味のようなもの」と、前向きに突き進む姿勢を崩さない。(文中敬称略)
プロフィール
和田 幸子
和田 幸子(わだ さちこ)
1975年生まれ。横浜国立大学経営学部を卒業後、1999年、富士通に入社。エンジニアとしてERP製品の開発に携わった。05年、企業派遣制度を利用して慶應義塾大学大学院に留学し、経営管理研究科のMBAを取得。09年からは、ERP製品のウェブプロモーションを担当した。10年10月に富士通マーケティングに出向し、現在は、業務会計・人事給与アプリの販売推進プロジェクトのリーダーを務める。