インフォテリアの山崎将良は、中国法人のトップに就任して、タブレット向けコンテンツ管理システム「Handbook」の中国での売り込みに取り組んでいる。中国市場に注目したのは、市場の大きさもさることながら、タブレット端末などのスマートデバイスが爆発的に普及しているからだ。「ソフト商材は、投入するタイミングが最も重要」と判断してのことだ。
「YouTubeやLINE、Facebook……、どれをみても絶妙なタイミングで登場し、一気にシェアを伸ばした。類似サービスもあったが、勝ち上がることができたのは、必要なときに必要なサービスを提供できたからこそ」とみて、商機を逃すまいと必死に市場を開拓している。
山崎がインフォテリアに入社して、まず驚いたのが「世界で通用するソフト開発を標榜し、過去、海外市場に何度も挑戦してきて、何度も敗退してきたこと」だという。
海外市場で悪戦苦闘するなかで、世界の市場が、今、何を求めているのか、ソフト開発の潮流は何かをつかんできた。山崎が一時期担当していたマスターデータ統合管理(MDM)は、「ITトレンドの発信地である北米の動きを把握できていたからこそ、業界に先駆けて製品を開発し、市場に投入できた」と振り返る。現段階で、自社のMDM製品によって世界市場を制覇できているわけではないが、「少なくとも無為無策のまま国内市場を海外ベンダーに奪われることは防いだ」。
インフォテリアはEAI(企業向けアプリケーション統合)やMDM、Handbookなど、さまざまなソフト商材を開発しているが、「今、中国で売るとしたらHandbookしかない」と、一点突破・全面展開を狙う。(文中敬称略)
プロフィール
山崎 将良
山崎 将良(やまさき まさよし)
1974年、兵庫県生まれ。98年、徳島大学総合科学部卒業。東京の商社系SIerに入社。2005年、インフォテリア入社。2012年11月、インフォテリア中国法人「桜楓天(上海)貿易」総経理に就任。