大学でイベントを運営するサークルに入って活動しているうちに、「ゼロから仲間と何かをつくるということの楽しさを知った」という。それが起業したグルーバーにも根づいている。社員は18人と決して大きくはないが、設立から2年が経過してネイティブ広告の分析支援ツール「TRIVER」は導入数が250アカウント。少数精鋭で実績をあげている。

もともとは「ITにまったく興味がなかった」。イベント運営のノウハウを生かす仕事に携わろうと就職活動をしたものの、しっくりこなかった。その時、「起業」という文字が頭に浮かぶ。同じ頃、新規事業を創造すれば社内ベンチャーや子会社化を積極的に進めているオプトに出会う。オプトでモバイル関連の業務に携わっているうちに、スマートフォンが爆発的に普及して場所を問わずインターネットを閲覧する環境があたりまえになった。「価値あるコンテンツによって、企業が商品に対するユーザーの興味・関心を高めて、行動・購買を促進することが重要」と、コンテンツマーケティング専門会社のグルーバーを設立。オプトを通じて、「ゼロから何かをつくる」ことを手に入れた。
役職の「CVO(チーフ・ビジョナリー・オフィサー)」とは、ビジョンをつくったり、ブランドを向上させたりという役割を担う。「よい社風をつくるには『人』がカギを握る」。だからこそ、「大事なのは論理ではなく感情」という。これは、ユーザーの興味・関心を高めて、いかに商品をアピールできるかというコンテンツマーケティングにも通ずるものがある。社員とのコミュニケーションはもちろん、顧客企業とのコミュニケーションを図って、よい製品・サービスを広めていく。社員と顧客を含めた「仲間とチャレンジしていく」というのが信条だ。
プロフィール
千島 航太
千島航太(ちしま こうた)
1983年10月20日生まれ。07年3月、慶應義塾大学卒業後、オプトに入社。モバイル広告のセールス、プランニングを担当。10年、モバイル企画開発部長に就任し、モバイルメディアとのリレーションや商品開発を担う。13年に戦略系コンサルティングファームへ企業留学し、経営・戦略やIT・データ基盤の立案に携わる。14年にグルーバーを設立、代表
取締役に就任。コンテンツマーケティングやネイティブアドの専門会社として、データを軸にコンテンツの企画・制作・流通課題の解決に取り組んでいる