新しい技術を世の中に浸透させるまでには、産みの苦しみが伴うのが常だ。これまでにない概念を世に問うのだから、すぐに受け入れられないのはあたりまえ。インフォテリアの森一弥は、そんな困難に立ち向かう日々を楽しんでいる。同社は、データ連携ツール「ASTERIA」の可能性を大きく広げる新しい接続先としてブロックチェーンに注力しているが、森はASTERIAのシニアプロダクトマネージャーとして、黎明期にあるブロックチェーンの市場形成をリードするという難易度の高いミッションを担う。
インターネットが本格的に普及し始めた大学時代、自然と興味はITの世界に向いた。「ちょっと詳しい人はHTMLを書けて、好きなことを世界に発信していた。次はXMLが“来る”と聞きかじって、これをやらなきゃ! と思い込んだ」と、少し苦笑いしながら振り返る。社会人のキャリアは、XMLエディタのトップベンダーだった大手SIerでエンジニアとしてスタートし、大手ソフトウェアメーカーでは、XML対応の製品づくりにも携わった。インフォテリアも、日本初のXML専業ベンダーとして発足した会社だ。「XMLにかかわるビジネスをずっとやってきたが、XMLの存在を意識することなく、いろいろなところに使われるようになった。ブロックチェーンにはそれ以上の爆発的なポテンシャルがある」と感じている。
技術を入り口にITの世界に入った森は、まだ認知されていない新しい技術と接点をもつことに、このうえない喜びを感じている。現在の仕事の中心はマーケティングだが、デモは自分でつくることが多い。「自分が感じた可能性を未来のお客様にメッセージとして伝えるには、技術も営業も両方理解している必要がある」からこそ、直接技術に触れることを大切にしている。(文中敬称略)
プロフィール
森 一弘
森 一弥(もり かずや)
1976年生まれ。大学卒業後、大手SIerなどを経てインフォテリアへ。データ連携ツール「ASTERIA」シリーズのシニアプロダクトマネージャーを務める。最近ではFinTechやIoTについて全国各地で講演する機会も多い。現在、ミャンマーで実施しているブロックチェーン実証実験にも参画している。甘いモノとクルマとラノベと萌えキャラが大好きで、社内ではいじられキャラだという。