ソフトバンク・テクノロジーの営業統括 公共営業本部副本部長、子会社アソラテックの取締役、同じく子会社の農業ICT事業を行うリデンの代表取締役社長を兼務。2017年4月には慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科入学、さらにソフトバンクグループを担う後継者発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」に入校。ビジネスマンと学生の二足の草鞋を履くバイタリティに驚かされる。
上原郁磨はプロ選手を目指すサッカー少年だった。5歳からサッカーを始め、小学校では地区選抜に選ばれた。しかし、中学の時に身体を壊してドクターストップ。サッカーでは中学までに基礎を築き、高校で開花する選手が多い。その貴重な時期のドクターストップに、上原は「目標を失った」と感じるほどのショックをうけた。しかし、夢を諦めきれず、高校で再びサッカーを始め、大学でサッカー部に入部できないことを知ると、プロを目指す人を集めたサッカークラブを立ち上げる。まわりからは無理だといわれるが、3年目に全国大会で優勝し、海外遠征に行けるほどのチームになった。そして、上原自身、プロテストを受けるところまできた。結局、プロにはなれなかったが「目標をもち続けていればいずれ到達する」と前向きになれたという。また、中学時代の悔しさが「やりたいことは我慢しない」という座右の銘につながる。
常に挑み続ける上原が次のステージとして考えているのが「講師」だ。自身のことを遅咲きと評する上原は、もっと早く気づき、いろいろなことに挑んでいたら……、そんな後悔がくすぶっている。その経験を生かし、誰かに気づきのきっかけを与えることが次の目標だ。今年はソフトバンクグループの社員同士でナレッジをシェアする「STB塾」で、営業スキルアップセミナーの講師を務めた。次の目標の第一歩が始まった。(敬称略)
プロフィール
上原郁磨
(うえはら いくま)
1979年、長野県生まれ。東海大学卒業後、アイカ工業に就職。2006年ソフトバンク・テクノロジー入社。新規開拓営業、ソフトバンクグループ向け営業を経て、公共団体向け事業の立ち上げに従事。15年に子会社のアソラテックの取締役に、16年にリデンを立ち上げ、代表取締役に就任。17年に、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科とソフトバンクグループを担う後継者発掘・育成を目的とした「ソフトバンクアカデミア」に入校。