「Windows 7」のキーパーソンに聞く
中川哲
コマーシャルWindows本部本部長
ライセンス、前年比2倍の伸び
――「Windows 7」の立ち上がりをどうみているか。
中川 ここまでパッケージ販売は前年対比で7.7倍の伸びで、ライセンス販売も購入キャンペーンを開始した昨年5月から毎月、前年同月比で2倍の伸びを示している。
――法人向け販売の状況は?
中川 先の数字は、法人向けが全体の数値を押し上げた結果。法人向けのライセンス数の割合をみると、1~25台の企業規模が最も売れているレンジだ。サードパーティーの「引越しソフトウェア」が堅調だったようで、多くの中小企業でアップグレードが進んだとみている。
――昨年9月の段階では、「Windows 7」への移行・導入を表明した企業が163社にのぼっていたが、実際はどうか。
中川 2月からは、当社Webサイトで「Windows 7 Voice」というコーナーを新設する。これは実際の導入事例を毎月7社、7か月間にわたり紹介するという内容だ。「Windows Vista」や「同XP」の際には、ここまで早く事例を出すことができなかったので、Windows 7の導入速度は速いようだ。
――「Windows 7」の導入を早めることができた理由は。
中川 「Windows Vista」の時は、β版の段階の発売前に情報を過大に出し過ぎて、実際に投入したソフトとの乖離があったことでユーザーに受け入れられなかった。今回は、できることだけを情報提供したことが奏功したし、リリースしたタイミングも、景気がやや回復する時期だった。ユーザーのお財布にお金が残っている状況で発売できたのでよかった。
――クラウドコンピューティングの流れは、影響しなかったのか。
中川 当社の描くビジョンのほうがナチュラルだったということ。一気にクラウドへ移行するような報道が目立ったが、実際はパソコン、OS、ソフトウェアなど必要最低限の機器を手元に置くユーザーが多かったということだ。