――2023年の振り返りを。
イノベーションへの投資を加速させた年だった。生成系AIなどの最新テクノロジーを含む240以上のサービスを通じて国内の大企業やスタートアップ、自治体といった数十万に及ぶ顧客を支援してきた。
代表執行役員社長 長崎忠雄
生成系AIに関しては、具体的なユースケースの発見、実装のためのサービスやプログラム、日本語に対応した各種トレーニング、ビジネス用途に応じた複数の基盤モデルを用意した。10月には生成系AIのマネージドサービス「Amazon Bedrock」の提供を東京リージョンで開始し、生成系AIを活用したビジネスを早期に立ち上げることを可能にした。
生成系AIの登場はクラウドの登場時と似て、非常に大きな可能性を秘めたテクノロジーだ。今後の進化を楽しみにしている。
――顧客のニーズに変化は感じたか。
基幹システムやメインフレームのクラウド移行など、あらゆる領域でクラウド導入を検討する顧客が増えている。クラウド活用の目的が単なるコスト削減だけではなく、ビジネスアイデアのスピーディーな実現に拡大しており、経営課題の解決のかぎとなってきたことを実感した。
業界・業種に特化した取り組みを強化
――24年の事業方針は。
当社は一環して「地球上で最もお客様を大切にする企業」として顧客の支援を続けており、24年以降もその姿勢は変わらない。
金融、通信、製造、エネルギー、公共といったすべての業界でクラウドの優位性を生かしたクラウドファーストの動きが加速しているため、業界・業種に特化した取り組みを一層強化する。
――パートナーとの関係は。
23年はサーバーワークスやSCSK、NHNテコラス、NECなどと戦略的協業をしたり、富士通、TOKAIコミュニケーションズが「AWSパートナーネットワーク」における最上位のプレミアティアサービスパートナーの認定を取得したりするなど、パートナーとの関係を強化し、サービスのデリバリーを一層加速させた。日本独自の取り組みとして、顧客のデジタル人材を育成する内製化支援推進パートナーの強化も進めた。
24年も広さと深さの両面でパートナー事業の拡大を継続する。パートナーとの連携を強化し、さまざまな顧客のビジネス変革に貢献したい。
――24年の抱負を。
顧客の視点に立ってイノベーションを絶え間なく続ける。クラウドサービスの拡充や生成系AIの活用におけるさらなる選択肢の提供、デジタル人材の育成支援などを通じて、日本企業のビジネス変革を支援し、経済発展に貢献していく。