──2026年はどのような年になると見ているか。
AIが業務の中に浸透していく年になる。同時に外部の攻撃者もAIを駆使してセキュリティーの防御を破ろうとすることが予想される。26年をキーワードで表せば、ずばり「AI活用とセキュリティー対策」だ。ユーザー企業の業務への理解を深め、どうすればAIが業務で役立つのかという知見を蓄積し、AI活用の推進やセキュリティー対策の高度化のビジネスを推進していく。
旗生泰一 取締役社長
──ITソリューション事業の業績はどうか。
ITソリューションに相当するビジネスソリューション事業の売上高は26年3月期通期で2桁成長できる見込みだ。中堅・中小企業ユーザー向けのITソリューションを体系化した「Bridge DX Library」の販売が好調に推移し、IT運用・管理をワンストップでサポートする「IT Expert Services」は、23年6月のサービス開始から累計1万社余りのユーザーを獲得するに至った。「勘定奉行」やSAP製品といった基幹業務システムの販売も伸びている。
基幹業務システムを巡っては、マイクロソフトのERP「Dynamics 365」を25年11月に自社に導入した。会計とサプライチェーンの業務で活用し、今後はCRM(顧客管理)の領域でも導入する予定を立てている。自社導入で習熟したタイミングでDynamics 365も基幹業務システムの取り扱い商材の一つに加え、外販を本格化させていく。
課題の発見と解決に向き合う
──ユーザー企業の業務への理解を深めるための施策は何か。
さまざまな取り組みを行っているが、例えばクラウド型ワークスペースの「FUJIFILM IWpro」は、受発注業務で活用されるケースが多く、業務フローの見直しや基幹業務システムとの連携、AIを駆使した自動化などユーザー企業の業務に深く入り込んで、ユーザーとともに業務改革を進めていくソリューションとなっている。IWproの販売を通じて、当社の営業担当者やSEは洞察力を生かしてユーザーの業務課題を浮き彫りにし、課題を解決するスキルを大いに高めている。
ほかにも25年4月から全従業員を対象としたeラーニング研修で、ITや業務課題の基礎問題を毎月一つずつ解く課題を与えて、マインドの転換に努めている。リテラシーを底上げするだけでなく、当社が目指している方向を全従業員で共有する狙いもある。
──複合機ビジネスはどうか。
印刷ボリュームが伸び悩む中、複合機を「手離れよく売る」よりも「業務課題の発見と解決」に向き合うビジネススタイルへと一層変えていく。複合機を紙の文書や帳票のデジタル化やペーパーレス化に欠かせないデバイスとして機能させ、ITソリューションと密接に絡めていくことで、複合機の付加価値を高めて、ビジネスの活性化につなげたい。