──2025年を振り返って。
前年を大きく上回る増収を達成し、右肩上がりの成長となった。主な要因は「Windows 10」のサポート終了に伴う既存顧客のバージョンアップ需要によるものだ。更新のタイミングでクラウドへ移行する顧客が多く、中小企業向けの「大臣AXクラウド」の販売管理システムや会計システムが好調に推移した。ランサムウェア対策などBCP(事業継続計画)の観点からも、サーバー管理の不要なクラウドを選択する動きが強まっている。
原田明治 代表取締役社長
開発面では、福岡の新社屋が竣工し、分散していたメンバーを一拠点に集約したことで業務効率とコミュニケーションの質が向上した。また、業界全体でAIに強い人材が不足しており、当社でも育成に力を入れている。新入社員研修にはAIについて学ぶ時間を組み込んだ。ただ、25年初頭から状況が大きく変化しているため、今後も内容を見直し、最新のAIを活用できるようにする方針だ。
──AI活用の具体策は。
ユーザー、販売パートナー、自社の社員、この三者に向けて施策を掘り下げていく。エンタープライズ分野で特に注力しているのは導入支援だ。AIが既存の帳票を読み取り、レイアウト設計を自動化する機能の搭載を予定している。これにより、導入時のコスト削減が可能となる。販売パートナー向けでは、要件定義や導入といったフェーズへのAIによる支援強化を推進。社員向けでは、業務効率化や自動化を支援するAIツールの開発を進める。
自動化で業務負担を分散
──業務システムの在り方が変化している。
従来の会計・給与システムは、財務や総務などの管理部門が利用することを前提としていた。今後は自動化を進め、従業員がスマートフォンから直接データを入力・申請し、管理部門はそれを確認するだけで済むような仕組みを目指す。
給与ソフトを中心として、その周辺に労務サービスを展開していた体制を見直し、従業員が入力したデータを軸に各業務サービスが連携するかたちへと再構築する。煩雑な事務作業から管理部門を解放し、経営に資する本来の業務へ集中できる環境を提供する。
──26年の抱負を。
強みである販売管理分野で、新規顧客の獲得により一層注力する。特に「販売大臣AXクラウド」は、ノーコード開発により比較的小さい工数で柔軟なカスタマイズが可能なため、これまで個別開発で販売管理システムの更新に対応してきた企業からの需要も見込める。
製品面では、「スマート大臣」から労務と勤怠に関する新サービスを26年春頃にリリースする予定だ。加えて、多様な業種に対応するテンプレートの拡充にも継続して取り組み、AXシリーズで対応できる業務領域をさらに広げていく。