Special Feature
ASUSが国内法人市場へ本格展開 個人市場での存在感を成長ドライバーに
2026/09/03 09:00
週刊BCN 2026年08月31日vol.2118掲載
台湾ASUSTeK Computer(エイスーステックコンピューター、ASUS)が、日本における法人向けPC事業を本格化させている。ここ数年にわたって、個人向けや教育向けPC分野で存在感を高めており、さらに法人向けの戦略的ノートPCを市場投入した。ジョニー・シー会長は「ASUSにとって日本の市場は、最も重要な戦略市場である。個人向けPCで培った強みを基盤に、日本の法人向けPC分野への投資を加速する」と語る。
(取材・文/大河原克行、編集/藤岡 堯)
6月に開催されたASUS JAPANのイベント。
国内法人市場に本格展開する方針が示された
台湾ASUSTeK Computer
ジョニー・シー 会長
シー会長は「私は日本の文化が好きで、とても尊敬をしている。そして、日本の市場は35年以上にわたり、ASUSの成長を支え、多くの学びと挑戦を与えてくれた特別な市場である」と表現する。
日本の文化をリスペクトしているシー会長にとって、その姿勢を象徴する思い入れのあるプロダクトが「Zenbook」シリーズである。「Zenbookの名称は、日本の『禅』の精神から着想を得ている。採用している象徴的な同心円デザインも、日本庭園からインスピレーションを受けた。ASUSの数ある製品のなかでも、私にとって特別な存在だ」とする。
ASUSは、1989年にマザーボードメーカーとして創業。97年に初のノートPC「P6300」を発売した。このノートPCは、ミール宇宙ステーションでも使用され、600日間にわたって、一切故障することなくミッションを完遂した実績を持つ。「当時から、高い基準を設けて、製品開発に取り組んでいたことを証明する出来事だと自負している」と、シー会長は胸を張る。
その後は、グローバルのPC市場において、着実にシェアを拡大。「24年以降は個人向けノートPC市場において、世界第2位の位置にある」と説明する。その動きは、日本市場でも同様であり、この数年間で、一気に存在感を高めている。
ASUS JAPAN
アルビン・チェン 社長
ASUS JAPANのアルビン・チェン社長は、「ASUSは、24年6月に『Copilot+ PC』を発売して以降、日本において、Copilot+ PCのトップシェアを維持し続けている。また、21年の教育市場におけるASUSのシェアは、わずか3.7%で第8位だったが、現在は、23.5%のシェアを得て、第2位のブランドへと成長した。官公庁市場では、わずか3年前にはゼロだった市場シェアが、今では12%となり、第3位のポジションにある」とアピールする。
一方、全国の量販店やECサイトの販売データを集計するBCNの調査を見ても、ASUSの存在感が増していることが分かる(図参照)。
19年には、PC販売実績におけるシェアは7.8%で、6位だったが、以降、徐々にシェアを拡大し、順位を高めており、25年の実績では、市場シェアは12.9%となり、富士通、NECに次いで、3位のポジションとなっている。
国内の個人向けに関しては19年から本格的な展開を開始。若年世代をターゲットとして、まずはゲーミング領域に注力した。25年2月には若いビジネスパーソンや学生らを対象とした「ASUS Zenbook SORA」を投入している。日本のコンシューマーやモバイルワーカーのPC活用シーンを徹底的に調査。カフェや新幹線車内での使い方、日常の持ち運び方など、さまざまな角度から、日本ユーザーの使い方を深掘りしたという。並行して教育市場や官公庁市場へも浸透を図り、実績を積んできた。
加えてチェン社長は「(国内での)成長は販売チャネルの拡充とともに、パートナーと一緒になって改善を積み重ね、お客様の声に真摯に対応してきた成果である」と、パートナーとの協業強化が成功の背景にあるとも話す。
さらにシー会長は、「日本において、ASUSがさらなる成長を遂げるには、ポテンシャルがある法人向けPC市場への取り組みが重要な意味を持つ。個人向けPC市場で培った強みを基盤に、法人向けソリューションへの投資をさらに加速する」と語る。
法人向けの旗艦モデルとなる
「ASUS ExpertBook Ultra」
ASUSが満を持して投入したのが、法人向けノートPCのフラッグシップモデル「ASUS ExpertBook Ultra」である。
ASUS ExpertBook Ultraは、米Intel(インテル)の「Core Ultra 5 プロセッサー 325」を採用した14型ビジネスノートPCで、最薄部は10.9ミリメートル、最軽量モデルでは約990グラムの軽さとなった。
マグネシウムとアルミニウムの合金を使用することで、頑丈な筐体を実現したほか、米Corning(コーニング)の「Gorilla Matte」と「Gorilla Glass Victus」を組み合わせたディスプレイによって高い耐久性を得ており、過酷なビジネスシーンでも使用でき、一日中、安心して持ち運ぶことができるという。
シー会長は、「ExpertBook Ultraは、日本のお客様が求める品質や堅牢性、薄型や軽量化に対する要望などを反映した製品だ。プロジェクトチームには、社内で最も優秀なエンジニアに参加してもらい、究極のエンジニアリングやデザインシンキングの考え方を基にしたものづくりを行った。日本のユーザーが求める堅牢性、高性能、機能美は、他の国にはない高い水準のニーズであり、この課題に、ASUSのトップエンジニアが挑んだ結果、生み出すことができた」とする。
ASUSでは、「Start with People(全ては人から始まる)」というミッションを掲げている。
シー会長は「事業の全てを、『人』を中心に進めている。ユーザーの声に耳を傾け、人々のニーズを理解することからものづくりを始める。そして、イノベーションで人々の暮らしを豊かにし、体験をよりシンプルにし、価値を生み出すべきだと考えており、変わらぬ目標となっている」と語る。
実際、これまでのものづくりでも、日本において徹底した市場調査を実施しており、グローバル企業の視点だからこそ、気が付くことがある。
例えば、海外では通常のバッグのほかに、ノートPC用のバッグを持ったり、PCはバッグに入れずに、そのまま持ち運んだりすることが多いが、日本人の多くは、ノートPCも一つのバッグに入れて持ち運ぶケースが多いという。また、バッテリーが満充電であっても、必ずアダプターを携行する人は少なくない。
「一つのバッグにPCやアダプター、スマートフォンなどを入れ、しかも通勤には1時間も2時間もかけて、その間、座席に座れない状況に置かれることもある。自家用車などでの移動が主流となる海外に比べると、バッグを持ち歩く時間が長く、その結果、PCでも、スマホでも、自ずとコンパクトな製品が求められる」とチェン社長は指摘する。
日本では、13型クラスのノートPCの出荷比率が40%を占めており、これは中国や米国の市場構成比とは大きく異なる日本固有の傾向だ。
チェン社長は「5年前に初めて日本に来たときに、メディアに掲載されているモバイルノートPCの製品レビュー記事を見て、本体の重量だけでなく、アダプターの重さまでを対象にしていたことに驚いた。これも日本だけの取り上げ方であり、すぐに本社の開発チームと情報を共有した」というエピソードを披露。こうした気付きも、日本市場向けのものづくりに生かされている。
製品をパートナーに出荷する前には、日本で追加の品質検査を実施。実際に開梱して、外観や付属品を確認するとともに、電源を入れて動作確認を実施し、再梱包して出荷しているという。「出荷台数が増加し続けても、製品品質には妥協しない」(チェン社長)姿勢だ。
千葉と東京に設置している国内2カ所のサービスセンターと、北海道、千葉、九州、沖縄の倉庫を活用した迅速な修理サービス体制も構築。国内拠点において、マザーボードのチップセット交換修理といった高度なサポートも実施している。
法人ユーザーの要望に合わせた仕様のカスタマイズ、オリジナルラベルの貼付、翌営業日対応のオンサイトサービス、最大6年間の保証サービス、サンプル貸出プログラムのほか、簡易トラブルシューティングツールやIT管理者向けのマネジメントツールも提供する。このようにして、法人向けソリューション全体に事業展開を広げる姿勢を示している。
ASUSは、日本の個人向けPC市場、教育向けや官公庁向け市場における成功パターンを持っている。今回、その仕組みを、いよいよ法人向けPC市場にも持ち込むことになる。ASUSが法人向けPC市場において、積極的な成長戦略を描くのも、これまでの実績をベースにした「パターン」があるからだ。日本の市場を知り尽くしたASUSの新たな挑戦は、多くの人が思う以上に、地に足がついた成長戦略だと言えるだろう。
(取材・文/大河原克行、編集/藤岡 堯)
国内法人市場に本格展開する方針が示された
シー会長 「日本は特別な市場」
2026年6月、シー会長は7年ぶりに来日し、ASUS JAPANのイベントに登場した。コロナ禍以降、海外渡航を取りやめていたシー会長が、最初の訪問国に選んだのが日本である。
ジョニー・シー 会長
シー会長は「私は日本の文化が好きで、とても尊敬をしている。そして、日本の市場は35年以上にわたり、ASUSの成長を支え、多くの学びと挑戦を与えてくれた特別な市場である」と表現する。
日本の文化をリスペクトしているシー会長にとって、その姿勢を象徴する思い入れのあるプロダクトが「Zenbook」シリーズである。「Zenbookの名称は、日本の『禅』の精神から着想を得ている。採用している象徴的な同心円デザインも、日本庭園からインスピレーションを受けた。ASUSの数ある製品のなかでも、私にとって特別な存在だ」とする。
ASUSは、1989年にマザーボードメーカーとして創業。97年に初のノートPC「P6300」を発売した。このノートPCは、ミール宇宙ステーションでも使用され、600日間にわたって、一切故障することなくミッションを完遂した実績を持つ。「当時から、高い基準を設けて、製品開発に取り組んでいたことを証明する出来事だと自負している」と、シー会長は胸を張る。
その後は、グローバルのPC市場において、着実にシェアを拡大。「24年以降は個人向けノートPC市場において、世界第2位の位置にある」と説明する。その動きは、日本市場でも同様であり、この数年間で、一気に存在感を高めている。
アルビン・チェン 社長
ASUS JAPANのアルビン・チェン社長は、「ASUSは、24年6月に『Copilot+ PC』を発売して以降、日本において、Copilot+ PCのトップシェアを維持し続けている。また、21年の教育市場におけるASUSのシェアは、わずか3.7%で第8位だったが、現在は、23.5%のシェアを得て、第2位のブランドへと成長した。官公庁市場では、わずか3年前にはゼロだった市場シェアが、今では12%となり、第3位のポジションにある」とアピールする。
一方、全国の量販店やECサイトの販売データを集計するBCNの調査を見ても、ASUSの存在感が増していることが分かる(図参照)。

19年には、PC販売実績におけるシェアは7.8%で、6位だったが、以降、徐々にシェアを拡大し、順位を高めており、25年の実績では、市場シェアは12.9%となり、富士通、NECに次いで、3位のポジションとなっている。
国内の個人向けに関しては19年から本格的な展開を開始。若年世代をターゲットとして、まずはゲーミング領域に注力した。25年2月には若いビジネスパーソンや学生らを対象とした「ASUS Zenbook SORA」を投入している。日本のコンシューマーやモバイルワーカーのPC活用シーンを徹底的に調査。カフェや新幹線車内での使い方、日常の持ち運び方など、さまざまな角度から、日本ユーザーの使い方を深掘りしたという。並行して教育市場や官公庁市場へも浸透を図り、実績を積んできた。
加えてチェン社長は「(国内での)成長は販売チャネルの拡充とともに、パートナーと一緒になって改善を積み重ね、お客様の声に真摯に対応してきた成果である」と、パートナーとの協業強化が成功の背景にあるとも話す。
ノートPCの旗艦モデルを投入
これらの実績を踏まえ、いよいよ法人向けPC市場に本格参入することになる。チェン社長は、「25年度第4四半期には、法人向けPC市場で前年同期比1362%という伸びを達成した。『そんなに成長しているのか』と驚かれるが、これは単なる一時的勢いではないと考えている。むしろ、これは、ASUSの成功パターンである。いま、ASUSに対する正しい質問は、『ASUSは法人向けPC市場に参入できるのか』ではなく、『ASUSはこの市場で、パートナーとともに、どれだけ速く成長できるのか』である」と自信を示す。さらにシー会長は、「日本において、ASUSがさらなる成長を遂げるには、ポテンシャルがある法人向けPC市場への取り組みが重要な意味を持つ。個人向けPC市場で培った強みを基盤に、法人向けソリューションへの投資をさらに加速する」と語る。
「ASUS ExpertBook Ultra」
ASUSが満を持して投入したのが、法人向けノートPCのフラッグシップモデル「ASUS ExpertBook Ultra」である。
ASUS ExpertBook Ultraは、米Intel(インテル)の「Core Ultra 5 プロセッサー 325」を採用した14型ビジネスノートPCで、最薄部は10.9ミリメートル、最軽量モデルでは約990グラムの軽さとなった。
マグネシウムとアルミニウムの合金を使用することで、頑丈な筐体を実現したほか、米Corning(コーニング)の「Gorilla Matte」と「Gorilla Glass Victus」を組み合わせたディスプレイによって高い耐久性を得ており、過酷なビジネスシーンでも使用でき、一日中、安心して持ち運ぶことができるという。
シー会長は、「ExpertBook Ultraは、日本のお客様が求める品質や堅牢性、薄型や軽量化に対する要望などを反映した製品だ。プロジェクトチームには、社内で最も優秀なエンジニアに参加してもらい、究極のエンジニアリングやデザインシンキングの考え方を基にしたものづくりを行った。日本のユーザーが求める堅牢性、高性能、機能美は、他の国にはない高い水準のニーズであり、この課題に、ASUSのトップエンジニアが挑んだ結果、生み出すことができた」とする。
ASUSでは、「Start with People(全ては人から始まる)」というミッションを掲げている。
シー会長は「事業の全てを、『人』を中心に進めている。ユーザーの声に耳を傾け、人々のニーズを理解することからものづくりを始める。そして、イノベーションで人々の暮らしを豊かにし、体験をよりシンプルにし、価値を生み出すべきだと考えており、変わらぬ目標となっている」と語る。
実際、これまでのものづくりでも、日本において徹底した市場調査を実施しており、グローバル企業の視点だからこそ、気が付くことがある。
例えば、海外では通常のバッグのほかに、ノートPC用のバッグを持ったり、PCはバッグに入れずに、そのまま持ち運んだりすることが多いが、日本人の多くは、ノートPCも一つのバッグに入れて持ち運ぶケースが多いという。また、バッテリーが満充電であっても、必ずアダプターを携行する人は少なくない。
「一つのバッグにPCやアダプター、スマートフォンなどを入れ、しかも通勤には1時間も2時間もかけて、その間、座席に座れない状況に置かれることもある。自家用車などでの移動が主流となる海外に比べると、バッグを持ち歩く時間が長く、その結果、PCでも、スマホでも、自ずとコンパクトな製品が求められる」とチェン社長は指摘する。
日本では、13型クラスのノートPCの出荷比率が40%を占めており、これは中国や米国の市場構成比とは大きく異なる日本固有の傾向だ。
チェン社長は「5年前に初めて日本に来たときに、メディアに掲載されているモバイルノートPCの製品レビュー記事を見て、本体の重量だけでなく、アダプターの重さまでを対象にしていたことに驚いた。これも日本だけの取り上げ方であり、すぐに本社の開発チームと情報を共有した」というエピソードを披露。こうした気付きも、日本市場向けのものづくりに生かされている。
品質や安心感を担保する仕組みも構築
法人向け市場での成功に向け、品質や安心感を担保する仕組みづくりにも乗り出している。全ての法人ユーザーに対して、365日対応のコールセンターサポートを提供。30秒以内のオペレーター接続率で95%、1次対応での問題解決率で95%という高い応答品質を維持して、企業での利用をサポートするという。製品をパートナーに出荷する前には、日本で追加の品質検査を実施。実際に開梱して、外観や付属品を確認するとともに、電源を入れて動作確認を実施し、再梱包して出荷しているという。「出荷台数が増加し続けても、製品品質には妥協しない」(チェン社長)姿勢だ。
千葉と東京に設置している国内2カ所のサービスセンターと、北海道、千葉、九州、沖縄の倉庫を活用した迅速な修理サービス体制も構築。国内拠点において、マザーボードのチップセット交換修理といった高度なサポートも実施している。
法人ユーザーの要望に合わせた仕様のカスタマイズ、オリジナルラベルの貼付、翌営業日対応のオンサイトサービス、最大6年間の保証サービス、サンプル貸出プログラムのほか、簡易トラブルシューティングツールやIT管理者向けのマネジメントツールも提供する。このようにして、法人向けソリューション全体に事業展開を広げる姿勢を示している。
ASUSは、日本の個人向けPC市場、教育向けや官公庁向け市場における成功パターンを持っている。今回、その仕組みを、いよいよ法人向けPC市場にも持ち込むことになる。ASUSが法人向けPC市場において、積極的な成長戦略を描くのも、これまでの実績をベースにした「パターン」があるからだ。日本の市場を知り尽くしたASUSの新たな挑戦は、多くの人が思う以上に、地に足がついた成長戦略だと言えるだろう。
台湾ASUSTeK Computer(エイスーステックコンピューター、ASUS)が、日本における法人向けPC事業を本格化させている。ここ数年にわたって、個人向けや教育向けPC分野で存在感を高めており、さらに法人向けの戦略的ノートPCを市場投入した。ジョニー・シー会長は「ASUSにとって日本の市場は、最も重要な戦略市場である。個人向けPCで培った強みを基盤に、日本の法人向けPC分野への投資を加速する」と語る。
(取材・文/大河原克行、編集/藤岡 堯)
6月に開催されたASUS JAPANのイベント。
国内法人市場に本格展開する方針が示された
台湾ASUSTeK Computer
ジョニー・シー 会長
シー会長は「私は日本の文化が好きで、とても尊敬をしている。そして、日本の市場は35年以上にわたり、ASUSの成長を支え、多くの学びと挑戦を与えてくれた特別な市場である」と表現する。
日本の文化をリスペクトしているシー会長にとって、その姿勢を象徴する思い入れのあるプロダクトが「Zenbook」シリーズである。「Zenbookの名称は、日本の『禅』の精神から着想を得ている。採用している象徴的な同心円デザインも、日本庭園からインスピレーションを受けた。ASUSの数ある製品のなかでも、私にとって特別な存在だ」とする。
ASUSは、1989年にマザーボードメーカーとして創業。97年に初のノートPC「P6300」を発売した。このノートPCは、ミール宇宙ステーションでも使用され、600日間にわたって、一切故障することなくミッションを完遂した実績を持つ。「当時から、高い基準を設けて、製品開発に取り組んでいたことを証明する出来事だと自負している」と、シー会長は胸を張る。
その後は、グローバルのPC市場において、着実にシェアを拡大。「24年以降は個人向けノートPC市場において、世界第2位の位置にある」と説明する。その動きは、日本市場でも同様であり、この数年間で、一気に存在感を高めている。
ASUS JAPAN
アルビン・チェン 社長
ASUS JAPANのアルビン・チェン社長は、「ASUSは、24年6月に『Copilot+ PC』を発売して以降、日本において、Copilot+ PCのトップシェアを維持し続けている。また、21年の教育市場におけるASUSのシェアは、わずか3.7%で第8位だったが、現在は、23.5%のシェアを得て、第2位のブランドへと成長した。官公庁市場では、わずか3年前にはゼロだった市場シェアが、今では12%となり、第3位のポジションにある」とアピールする。
一方、全国の量販店やECサイトの販売データを集計するBCNの調査を見ても、ASUSの存在感が増していることが分かる(図参照)。
19年には、PC販売実績におけるシェアは7.8%で、6位だったが、以降、徐々にシェアを拡大し、順位を高めており、25年の実績では、市場シェアは12.9%となり、富士通、NECに次いで、3位のポジションとなっている。
国内の個人向けに関しては19年から本格的な展開を開始。若年世代をターゲットとして、まずはゲーミング領域に注力した。25年2月には若いビジネスパーソンや学生らを対象とした「ASUS Zenbook SORA」を投入している。日本のコンシューマーやモバイルワーカーのPC活用シーンを徹底的に調査。カフェや新幹線車内での使い方、日常の持ち運び方など、さまざまな角度から、日本ユーザーの使い方を深掘りしたという。並行して教育市場や官公庁市場へも浸透を図り、実績を積んできた。
加えてチェン社長は「(国内での)成長は販売チャネルの拡充とともに、パートナーと一緒になって改善を積み重ね、お客様の声に真摯に対応してきた成果である」と、パートナーとの協業強化が成功の背景にあるとも話す。
(取材・文/大河原克行、編集/藤岡 堯)
国内法人市場に本格展開する方針が示された
シー会長 「日本は特別な市場」
2026年6月、シー会長は7年ぶりに来日し、ASUS JAPANのイベントに登場した。コロナ禍以降、海外渡航を取りやめていたシー会長が、最初の訪問国に選んだのが日本である。
ジョニー・シー 会長
シー会長は「私は日本の文化が好きで、とても尊敬をしている。そして、日本の市場は35年以上にわたり、ASUSの成長を支え、多くの学びと挑戦を与えてくれた特別な市場である」と表現する。
日本の文化をリスペクトしているシー会長にとって、その姿勢を象徴する思い入れのあるプロダクトが「Zenbook」シリーズである。「Zenbookの名称は、日本の『禅』の精神から着想を得ている。採用している象徴的な同心円デザインも、日本庭園からインスピレーションを受けた。ASUSの数ある製品のなかでも、私にとって特別な存在だ」とする。
ASUSは、1989年にマザーボードメーカーとして創業。97年に初のノートPC「P6300」を発売した。このノートPCは、ミール宇宙ステーションでも使用され、600日間にわたって、一切故障することなくミッションを完遂した実績を持つ。「当時から、高い基準を設けて、製品開発に取り組んでいたことを証明する出来事だと自負している」と、シー会長は胸を張る。
その後は、グローバルのPC市場において、着実にシェアを拡大。「24年以降は個人向けノートPC市場において、世界第2位の位置にある」と説明する。その動きは、日本市場でも同様であり、この数年間で、一気に存在感を高めている。
アルビン・チェン 社長
ASUS JAPANのアルビン・チェン社長は、「ASUSは、24年6月に『Copilot+ PC』を発売して以降、日本において、Copilot+ PCのトップシェアを維持し続けている。また、21年の教育市場におけるASUSのシェアは、わずか3.7%で第8位だったが、現在は、23.5%のシェアを得て、第2位のブランドへと成長した。官公庁市場では、わずか3年前にはゼロだった市場シェアが、今では12%となり、第3位のポジションにある」とアピールする。
一方、全国の量販店やECサイトの販売データを集計するBCNの調査を見ても、ASUSの存在感が増していることが分かる(図参照)。

19年には、PC販売実績におけるシェアは7.8%で、6位だったが、以降、徐々にシェアを拡大し、順位を高めており、25年の実績では、市場シェアは12.9%となり、富士通、NECに次いで、3位のポジションとなっている。
国内の個人向けに関しては19年から本格的な展開を開始。若年世代をターゲットとして、まずはゲーミング領域に注力した。25年2月には若いビジネスパーソンや学生らを対象とした「ASUS Zenbook SORA」を投入している。日本のコンシューマーやモバイルワーカーのPC活用シーンを徹底的に調査。カフェや新幹線車内での使い方、日常の持ち運び方など、さまざまな角度から、日本ユーザーの使い方を深掘りしたという。並行して教育市場や官公庁市場へも浸透を図り、実績を積んできた。
加えてチェン社長は「(国内での)成長は販売チャネルの拡充とともに、パートナーと一緒になって改善を積み重ね、お客様の声に真摯に対応してきた成果である」と、パートナーとの協業強化が成功の背景にあるとも話す。
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- ノートPCの旗艦モデルを投入
- 品質や安心感を担保する仕組みも構築
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