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<コンシューマ冬商戦戦略特集> ユニークな製品が次々登場 エンドユーザーと販売店を意識した製品でシェア獲得を目指す 前編

2007/09/28 19:56

週刊BCN 2007年09月24日vol.1204掲載

BCNランキングでもトップシェアを獲得
ユーザー・販売店から支持されている『SEG CLIP』とは

 多くの携帯電話にも「ワンセグ」機能が搭載され、販売店店頭に「ワンセグコーナー」ができるなど、「ワンセグ」がトレンドとして注目されている。PC周辺機器においても、「ワンセグ」は1つのキーワードとなっている。PC周辺機器ベンダー各社は、この市場に対して製品を次々と投入。市場の拡大と、シェアの獲得に躍起になっている。その中で頭1つ抜きん出ているのが、アイ・オー・データ機器だ。BCNランキングでトップシェアを獲得し、ワンセグ市場をリードするアイ・オー・データ機器に話を聞いた。

■市場のニーズに応え製品を作り込み

 アイ・オー・データ機器がUSB接続ワンセグチューナー『SEG CLIP(セグクリップ)』をリリースしたのは、2006年12月13日。USB接続ワンセグチューナー市場では後発でのスタートだった。「『SEG CLIP(GV-1SG/USB)』は、市場を見ながら作り込みました。後発ですが、製品の機能・品質は高く、お客様から選ばれる製品となりました」と開発本部・エンターテインメント開発部・デジタルホーム開発課の加藤光兼課長は当時を振り返る。

 『SEG CLIP』は、ワンセグ受信に最適化された伸縮する高感度ロッドアンテナを採用し、外出先からでもきれいな画面のワンセグを楽しめるように工夫されている。

 「実際に市場に出してみて、屋内で使われているお客様が非常に多いということがわかりました。屋内ユーザーの使用環境を意識して製品化したのが、二世代目となる『SEG CLIP(GV-SC200)』です」と開発本部・エンターテインメント開発部・デジタルホーム開発課の細川征宏主任は語る。

 2世代目の『SEG CLIP(GV-SC200)』は、07年5月23日にリリースされ、市場に投入されたのは同月末。本体内部にブースター回路を搭載し、伸縮・回転するロッドアンテナに加え、ケーブル長3mの外部アンテナ、家庭用のアンテナと接続できるF型コネクタ変換ケーブルを標準添付し、屋内外を問わず、あらゆる環境で最適な画質を得られるようにした。「家庭内でワンセグを楽しまれている場合、直接テレビのアンテナをつないで見たいというニーズもありました。外部アンテナやF型コネクタ変換ケーブルを標準添付することで、お客様が余計な出費をすることもありませんし、販売店様からは、“お客様にお勧めしやすい”としてご支持いただいております」(加藤課長)。

 『SEG CLIP(GV-SC200)』は、出荷以来BCNランキングでトップシェアを獲得。ユーザーと販売店から支持されていることが、この結果でも実証されている。

 同社では07年7月20日にMacintosh、Windowsの両方のOSに対応した『SEG CLIP(GV-SC200M)』をリリースし、8月から市場投入。「Apple Remote」対応など、Macintoshならではの機能にも着目した。この製品によってWindows市場のみならず、Macintosh市場も視野に入れて製品を提供し、市場のすそ野を広げていく構えだ。

■ワンセグ市場のさらなる拡大に期待感

 『SEG CLIP(GV-SC200)』は、ユーザビリティにも配慮した作り込みが行われている。EPG・iPEG(電子番組表)対応はもちろん、タイムシフト、静止画キャプチャ、データ放送など、非常に多機能だ。

 「タイムシフトで再生する際、1.3倍や1.5倍速再生が可能です。またワンセグは“ながら見”されていることも多いと思いますので“Windows Vista”のガジェットや“Googleガジェット”などで楽しめるようにしています」(細川主任)とのことだ。

 新機能の追加についても、ソフトウェアのダウンロードなどで対応し、ユーザーの投資を無駄にしない工夫をしている。

 「高品質な製品を提供することで、皆様のご支持をいただいております。また販促ツールの充実やパッケージを工夫するなど、販売店様のご支援体制にも注力しています。ワンセグは、夏商戦で落ち着いた感はありますが、PCの普及台数から考えて、もっと大きくなる市場だと考えています。冬商戦に向けて、一緒に市場を盛り上げていきましょう」(加藤課長)というのが、販売店に向けた同社のメッセージだ。

アイ・オー・データ機器=http://www.iodata.jp/

(週刊BCN 2007年9月24日号掲載)

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