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<セキュリティソリューション特集> 内部統制をキーワードとした市場が活性化 より基盤に近い対策に注目が集まる 後編

2008/03/10 19:56

週刊BCN 2008年03月10日vol.1226掲載

アルプス システム インテグレーション
「InterSafe Ver6.0」「InterSafe CATS」をリリース リスクマネジメントを実現する製品を投入

■フィルタリングに求めるユーザーニーズの変貌

 アルプス システム インテグレーション(ALSI)は、1997年に日本で初めてプロキシサーバータイプのWebフィルタリングソフトを発売。以来、日本市場のニーズに応えたソリューションの提供を続け、今やWebフィルタリング市場のリーディングカンパニーとして知られる。実際の導入実績では、企業、官公庁、学校など420万クライアントを誇り、近年ではNTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、ウィルコムなど携帯キャリアのフィルタリングサービスにURLデータベースを提供している。

 「この10年でフィルタリングに求められるニーズは大きく変化しています。当初はアダルトサイトや違法サイトなどへの対応が主でしたが、ここ数年は、セキュリティ対策や情報漏えい対策、内部統制の対応などに移行してきました。インターネットの利便性を損なわず、より安全に使いたいという要望が強くなっているのだと思います」と、セキュリティソリューション部の杉本浩信部長は市場の変遷を語る。

■社内外を問わずリスクマネジメントがカギ

 ALSIでは、高精度のURLデータベースを軸に「InterSafe Ver6.0」「InterSafe CATS(Client Any Time Security)」を3月19日より発売する。「現在、インターネットがインフラとして定着し、ビジネスにおいてもその利用が前提となっています。一方で、内部犯罪・内部不正行為や不正アクセスによる情報セキュリティの被害が増大しているなか、インターネットを介した情報漏えいを危惧する企業は増えています。しかし、社外に持ち出したPCの管理が難しいなど、実際の対策は不十分なケースも多く、そのような課題を解決するのが“InterSafe Ver6.0”“InterSafe CATS”です」(杉本部長)。

 さらに、掲示板やウェブメール、P2Pソフトウェアのダウンロードサイトなどの就業中の私的利用といった情報漏えいにつながるセキュリティリスクも増加しており、その対策は急務となっている。フィルタリングに対する市場ニーズは大きく変貌を遂げ、最近では「リスクマネジメント」の観点からフィルタリングソリューションを導入する企業も増えているという。

■持ち出しPCやSOHOにも適した「InterSafe CATS」

 「InterSafe Ver6.0」は「内部統制対応機能」「情報漏えい対策機能」「管理機能」で強化が施されている。また、今回新製品となる「InterSafe CATS」は、社外におけるインターネットアクセス管理を実現しており、InterSafe同様のURLフィルタリングはもちろん、P2Pソフトウェアやメッセンジャーなどのコミュニケーションツールの利用制限機能も備えている。つまり、これらのソリューションを活用することで、社内外を問わず、自社に適したポリシーによる運用を実現するセキュアなシステムを構築できることになる。

 個人情報保護法、会社法、日本版SOX法など、各種法制度への対応が求められ、その基盤となるセキュリティ対策の重要性は増している。

 「InterSafe CATS」は、ALSIが提供する管理サーバーを通して、ポリシーの配信や設定が行われるため、社外への持ち出しPCのほか、サーバーを設置していないSOHOや中堅・中小規模企業、また大企業の拠点など、多くの市場へ導入が可能だ。「複数台のクライアントPCが一元管理できるため、管理工数も少ないソリューションです。今後はレポート機能の提供など“InterSafe CATS”のクライアントモジュールを使った次の展開も考えています」(杉本部長)。

 「リスクマネジメント」をキーワードに、インターネットのアクセスマネジメントを実現する「InterSafe Ver6.0」「InterSafe CATS」。同社の新たな展開に業界からの注目も熱い。

アルプス システム インテグレーション=http://www.alsi.co.jp/

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