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<オービックビジネスコンサルタント特集>今後10年の主力製品“原版”次世代通信環境で利用拡大へ

2008/05/05 19:56

週刊BCN 2008年05月05日vol.1234掲載

価格半額でグループ会社を攻略
9月まで期間限定内部統制キャンペーン実施

 「奉行V ERPシリーズ」を内部統制対応版にリニューアルしたことから、オービックビジネスコンサルタント(OBC)は、2008年9月末までの期間限定で「内部統制支援キャンペーン」を開始した。同製品を販売開始した07年10月以前まで最上位製品だった「『奉行21 Ver.Ⅳ』を販売するパートナーが売りやすい値段を意識した」(仁藤丈久・営業本部営業企画室室長)という価格帯まで値下げして提供し、一気に市場へ浸透を図る。「内部統制に関連して問い合わせが増加している」(仁藤室長)ということで、急速な製品拡大が見込まれている。

目標人数を大きく超えた奉行フォーラム2007

 OBCは、07年の10月以降に全国40か所で「総合課題解決型ソリューション展示会」と称し、パートナーの賛同を得てユーザー企業を対象にした「奉行フォーラム2007」を開催した。「一から開発した」という本格的なERP(統合基幹業務システム)「奉行V ERPシリーズ」が登場した期待や内部統制を強化する時期とも重なり、集客8000人の目標を大幅に超える約1万人の来場者があったことで、「内部統制を中心とした訴求に手応えを感じた」(仁藤室長)と、予想以上の反響に驚く。

 08年4月に「金融商品取引法」が適用される相当以前から企業監査を厳格化する傾向が高まり、上場企業を中心にグループ会社や関連会社で一貫したシステムへの要求が出てきた。昨年末頃までに、上場企業では「文書化」作業がある程度終わったことを受け、現在、それまで手を付けていなかった基幹システムへの投資を検討する段階に入った。「システム管理基準 追補版」が出されたことを受け、OBCが「奉行V ERPシリーズ」の内部統制機能を強化したリニューアル版を出した08年2月は、時期と迅速さで絶好のタイミングであったといえる。

 そこでOBCは「奉行V ERP 内部統制対応ラインアップ」とし、スタンドアロン版を中心に通常価格より半額以下の値段で製品を提供する「内部統制支援キャンペーン」を開始した。これまでの「奉行シリーズ」でも、外資系ベンダーの大規模ERPが導入されていたグループ会社や関連会社に、かなり多くの導入実績を残している。こうした導入企業にはスタンドアロン版の導入率が高く、「グループ会社個々で『奉行シリーズ』を導入し、親会社の基幹システムと接続しているケースが多い」(仁藤室長)ことから、キャンペーンによって一気にリプレースを促進しようという考えだ。

 直販ではなくパートナーシップにフォーカスするOBCは、パートナーの営業生産性を上げる施策としてオプション製品の拡充によるカスタマイズの低減を進めているが、そのなかの1つ、自動オンライン更新システム「奉行アップデートサービス」にも期待を寄せる。同サービスは、税制改正や金融機関の統廃合、市町村合併などの影響で発生するプログラム変更をインターネット上で迅速に自動更新する仕組み。仁藤室長は「基幹システムを迅速にアップデートするのは作業負荷をともなう。税制改正など、期限があるものは短期間で更新したいという要望が常にあるし、ユーザーからパートナーへの問い合わせも発生する。このサービスなら迷うことなくアップデートでき、ユーザー、パートナーともに負荷を軽減できる。改正対応に時間的な余裕ができるのは大きい」という。また、ユーザー企業向けの支援サイト「OBCNetサービス」を順次拡充している。同サービスは、OBCの製品を利用するユーザー企業を対象に、業務に関わる情報提供や教育支援プログラムの提供、銀行関係辞書のダウンロード、法改正に関する情報発信、保守契約に関する解説などを掲載。ランドスケイプとも業務提携し、同社が保有する750万件の企業情報データベースの閲覧を可能にしている。

 仁藤室長は「『奉行V ERPシリーズ』が急速に普及すれば、導入事例が蓄積される。パートナーへの支援として情報をフィードバックし、パートナーにも顧客にもスムーズな提案と商談ができる環境を情報として提供する」と、製品価格の値下げとともにパートナーやユーザー企業へのサポート体制を拡充し、パートナーと一致協力して市場の拡大と「奉行V ERPシリーズ」の普及を狙う。

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