Special Issue

<マイクロソフト SQL Server 2008特集>製品リリースに向け、パートナー対象の全国縦断イベントを開催

2008/05/05 19:55

週刊BCN 2008年05月05日vol.1234掲載

 マイクロソフトでは、今夏のSQL Server 2008の製品発売に先がけ、パートナー企業を対象とする「全国縦断弾丸ツアー2008」を開催。開発者や運用管理者などにとって大きなメリットとなる新機能を装備した新製品を、販売パートナーが実際に見て、触れる機会を作ることが、ツアーの狙いだ。「新機能や強化機能が、何よりもパートナー様に対する支援」と話すシニアプロダクトマネージャの猪瀬森主氏に、SQL Server 2008の特徴と、早期からパートナーに製品をアピールする狙いを聞いた。

開発者や管理者向け新機能が充実

完成度が高いSQL Server 2008評価版

 「SQL Server 2008は2005と大きな違いがないのではないか? そんな声を耳にしますが、それは誤りです。2005とは高い互換性をもちながら、エンドユーザー、開発者、運用管理者を大幅に支援する新しい機能を拡充したのがSQL Server 2008。その点をひとりでも多くのパートナー企業の皆様に認識してほしい」――マイクロソフト・サーバープラットフォームビジネス本部・アプリケーションプラットフォーム製品部・猪瀬森主シニアプロダクトマネージャはこう力説する。

 現在評価版を提供中の「SQL Server 2008」。マイクロソフトでは、そうした本来の優位性を広めるべく、実際の製品をリリースする今夏に向けた5月27日から6月25日までの1か月間、「全国縦断弾丸ツアー2008」と題してプロダクトマネージャ自身が全国を回り、製品の特徴、パートナー企業支援策などをアピールしていく。

 「以前、エリアパートナーカンファレンスの際にも製品概要を紹介しましたが、製品リリースのかなり前だったこともあり、具体策をあまり紹介できませんでした。いよいよ製品リリース時期が2008年第2四半期に決定し、プレビュー版の提供も始まっています。前回はお話しできなかった具体的な特徴やイノベートオンプログラムなどのパートナー支援策をご紹介していきたい」(猪瀬シニアプロダクトマネージャ)。

 では、その具体的特徴とはどういったものなのか。ポイントは5つある。

 まず、1つ目のポイントとしてアピールしておきたいのは、現在提供中のSQL Server 2008評価版の完成度の高さだ。これは従前に比べ、開発プロセスを大幅に見直すことによって実現している。

 「マイクロソフトはSQL Server 2008開発にあたり、方法を見直し、新しい開発プロセスを導入した。その結果、互換性の高さ、これまでにない質の高いベータ版を実現しました。ダウンロードしたものの、手離れが決して良いとはいえない、これまでのベータ版とはまったく異なります。興味を持った方は、ぜひベータ版を試し、その良さを実感してほしい」と猪瀬氏は説明する。つまり、発売前の段階からひとりでも多くのエンドユーザー、開発パートナー、販売パートナーが手軽にベータ版を利用してもらえるよう、開発プロセスの見直しを図ったのだ。

 「これまでベータ版を利用した結果、逆に工数がかかってしまったという経験を持っている人にこそ、今回のベータ版を試していただきたい」(猪瀬氏)とアピールする。

暗号化やDBレイヤーの統合など、コンプライアンス強化にも寄与

 2つ目のポイントは、「セキュリティ機能の大幅強化」だ。なかでもコンプライアンス強化は、J-SOX法スタートなどの影響で、多くの日本企業が強化せざるを得ない状況になっている。コンプライアンス遵守の際、SQL Serverのようにデータベース製品は保有するデータをいかに守っていくのかという課題を突きつけられるが、SQL Server 2008は透過的にデータを暗号化する機能を標準で搭載している。

 「既存製品でもデータの暗号化は可能でしたが、アプリケーションを操作する必要がありました。SQL Server 2008は、既存アプリケーションを改変することなく暗号化が可能となり、鍵の管理もSQL Server内でできる。敷居が高かったデータ暗号化が、標準機能だけで簡単に行えるようになったのです」(猪瀬氏)。「誰が」「どのデータに」「いつ触れたのか」についても、既存機能に比べて運用負荷を大幅に軽減しながら簡単に記録することができるようになったという。

 また、これまでWindows Serverが持っていたポリシーベースの管理機能についても、新たにSQL Server 2008に搭載。これでSQL Server上でポリシーベースの管理設定を行うことが可能となった。

 3つ目のポイントは、データベース統合に対応した機能の拡充だ。昨今、コンプライアンスやコスト削減といった観点から、社内に散在していたサーバーを統合する企業も多い。SQL Server 2008では、OSレイヤーのひとつ手前、DBレイヤーの統合を行うことを支援するマルチインスタンス機能を搭載。最大50個までのインスタンスを実行可能としている。

 また、アプリケーションやユーザーごとにCPU利用率やメモリの割り当て量といったリソース管理ができる「リソースガバナ」という機能を新搭載。同じく、新搭載の「パフォーマンスデータコレクション」により、SQL Serverのパフォーマンス状況をスナップショットで記録し、どの時間帯には、パフォーマンスに余裕があるのか確認したうえで、特定の日時にリソースを制限し、パワーアップすることで、運用面でのトラブルを減らしやすくなった。「運用に問題を抱える管理者に試していただきたい」と猪瀬氏は言う。

データ圧縮やBI機能などデータを活用する機能が充実

 さらに4つ目のポイントは、データウェアハウスとしての機能の大幅向上だ。データベースを圧縮する機能をサポートしたので、莫大なデータを圧縮したうえで利用できる。

 「ただ、データ圧縮を行うためのパフォーマンスは必要になるので、この点はパフォーマンス管理のための機能を併用することで、最適なバックアップタイミングを見計らったうえで、実現してほしい」(猪瀬氏)。

 データバックアップについても、データベースコマンドに圧縮オプションを搭載したので、データを圧縮したうえでバックアップを行うなど、パフォーマンスに配慮した圧縮作業が行える。

 最後のポイント、5つ目はBI機能の充実である。今回のSQL Server 2008ではBIに関連する様々な機能強化がなされているが、今回注目される機能のひとつは「レポートデザイナー」というOfficeライクなインターフェイスを持った新しいレポーティング開発ツールである。これにより社内で情報共有を行うためのレポーティングサイトを簡単に構築することができる。

 また、レポートデータをマイクロソフトが提供する地図情報サービス「Virtual Earth」と連動することも可能となり、より表現豊かなレポートが作成できる。

 「今回、ご紹介したSQL Serverの新機能は一部に過ぎません。SQL Server 2008における機能強化が開発者、管理者、販売パートナーなどさまざまな立場の皆様の意見を吸い上げ、実現した機能ばかりだということが、おわかりいただけたのではないかと思います。ぜひ今回のツアーに参加いただき、実体験してもらうことで、製品のすばららしさを実感してください」と、猪瀬シニアプロダクトマネージャは販売パートナーへメッセージを送る。


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