Special Issue
<応研特集(上)>法改正に即対応することで信頼度アップ 応研ならではの強みが発揮できる そんな時代がいよいよ来た!
2008/05/26 19:56
週刊BCN 2008年05月26日vol.1236掲載
Interview 代表取締役社長 原田明治 氏
最新OSに即対応できる技術力示すWindows Server 2008対応の新製品群
マイクロソフトが発表したWindows Server 2008に、即時対応した製品「大臣2008シリーズ」を発売しましたが?原田 コンシューマ向けOSとは異なり、Windows Server 2008はサーバーOSですので、対応製品を発売すれば、即売り上げが伸びるというものではありません。しかし、当社のようなパッケージソフトメーカーとしては、新技術に迅速に対応できるかどうかで、メーカーとしての技術力が試される部分があります。それを考えると、やはりマイクロソフトの製品リリースとほぼ同じタイミングで対応製品をリリースする必要があると考えました。
しかも、「大蔵大臣2008」では新OSに対応するだけでなく、平成20年4月に適用が開始された「改正リース会計基準」に対応しています。リース資産の契約から月々の支払管理までをサポートし、難解な利息計算を必要とするリース物件の資産計上、支払時の会計処理などが簡単に行えるようになりました。
また、建設業向けの「建設大臣2008」では、同じくこの4月からの建設業法施行規則の改正に対応しています。このように最新技術と、法改正に迅速に対応できる体制を整えるというのは、お客様およびパートナーの皆様から信頼を得るために欠かせないものだと考えています。
汎用会計ソフトに加え、建設業、公益法人、社会福祉法人など特定業種に対応したパッケージソフトのお客様を多数抱えています。一般的な業種の法改正だけでなく、特定業種のみが対象となる法改正への対応は大変ではないですか?
原田 いえ、それは逆なんです。「建設大臣」をパートナー様が積極的に販売し、ユーザーの皆様が安心して使っていただけるのは、我々が法改正にも迅速に対応できる体制を作っているからこそのことです。
これは建設大臣に限らず、「福祉大臣」、「公益大臣」、「医療大臣」でも同様です。
2008年12月には公益法人の会計基準が大きく変わる計画が進んでいます。まだ、具体的な内容までは決まっていないものの、すでに公認会計士の方から、「今回の改正で、会計処理の方法がかなり複雑になるので、会計ソフトを使わなければ対応しきれなくなるのではないか」という意見をいただいています。販売パートナーの皆様には、この点を現段階から認識いただいて、セールス計画を立てていただければと思います。
公益法人に製品を販売するためには、販売パートナーに専門知識が必要になるのではないですか?
原田 販売パートナー様をサポートしていくために、当社の体制もできる限り整えています。まだ、公益法人の顧客はいないが、これから公益法人を狙いたいという施策があれば、是非、当社に一声かけてください。
2008年はお客様を獲得するチャンスがある年です。是非、一緒に市場開拓を進めていくことができればと考えています。
パッケージは不向きとされた
販売管理の売り上げが急伸
大臣シリーズには、「建設大臣」や「公益大臣」のような業種向けパッケージがあるのが強みですね。
原田 はい、その通りです。ただ、最近では「販売大臣」の販売が増加するなど、新しいお客様が広がっています。
「販売大臣」のような販売管理は、業種によって支払いサイトや、取り扱い製品の販売単位が異なるため、パッケージソフトの導入が難しい分野といわれてきました。にもかかわらず、「販売大臣」の売れ行きが伸びているのは、何か理由があるのですか?
原田 当社のソフトの場合、汎用ソフトでありながら伝票に計算式を導入できるので、重量、日数、容積など、特殊な数量計算が必要な場合にも利用可能です。この特徴があることで、通常はパッケージソフトの導入が難しいと考えていたユーザー様も、「これなら導入可能だ」と考えていただけるようです。そういった大臣シリーズの特性を認知していただいているパートナー様が着実に増えているので、「販売大臣」の売り上げが伸びているのだと見ています。
これまでとは違うお客様を獲得しているという点では、「大臣ERPシリーズ」でも同様です。これまでの当社のお客様よりも規模の大きな企業でも、「これだけ自由度が高いソフトなら、パッケージでも使用可能だ」と考えていただいているようです。大臣ERPも順調に売り上げを伸ばしています。
ERPに加え、数年前から開発してきました.NET対応の全く新しい製品についても、今年秋頃から公開できる見込みとなってきました。この新製品は、ERP以上に企業規模の大きなお客様でも利用可能な製品に仕上がっておりますので、是非、期待していただきたいと思います。
格付け会社から三年連続最高評価
企業としての信頼性もアップ
より規模の大きな企業をユーザーとしていくためには、製品としての信頼性と共に、企業としての信頼性が求められると思いますが。
原田 2006年から、大手格付会社であるスタンダード&プアーズ社の中小企業向け格付け、「日本SME格付け」で、企業評価をお願いしています。「応研というのは、どんな企業ですか?」とお問い合わせを受けて、いくら我々自身がアピールしても信頼性は決して十分とはいえません。そこで外部機関に評価してもらうことにしました。その結果、三年連続で最高位「aaa」を取得しています。
企業としての評価を得る方法として、株式の公開という手段もあります。
原田 幸いにも現状は資金も足りていますし、急いで株式公開をする必要はないと考えています。ただし、企業としては客観的な評価が必要であると考え、格付け評価を受けることにしたわけです。株式公開は大切なことだとは思いますが、現在当社がフォーカスすべきは業務ソフトメーカーとしての事業そのものだと考えています。当面は私もメーカーとしての経営強化に力を注いでいきます。
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