応研では、福岡の本社だけでなく、東京本社からパートナーや顧客支援を行う体制を拡充している。より規模の大きな顧客が大臣シリーズのユーザーとなる中、営業スタッフにも技術、業種や業務の専門知識をもったサポート体制が必要な時代となっている。取締役営業部長の岸川剛氏は、「専門知識を持ったスタッフがフォローすることで、お客様やパートナー様の目線に立った営業支援を行っていく体制を整えている」と話している。

お客様の立場で行う営業支援
技術、業種知識の両方で実現


重要性増す東京本社の役割
専門知識ある営業支援体制


 福岡県で創業した応研だが、パートナーおよび顧客支援体制の更なる拡充を目的に、2005年に従来の東京支社を東京本社に格上げした。ネット環境がこれだけ整った現在、福岡本社発であっても情報発信やサポートが遅れることはないだろう。

 しかし、東日本に拠点を置くパートナー企業や、ユーザーにとっては、「福岡は遠い」というイメージが少なからずあったようだ。

 「東京本社となってからは、そういったイメージが払拭されるようになりました。パートナー様や、お客様が気軽に声をかけてくださるようになり、東京本社へかかってくる電話の本数が増えるなど、その成果が明確に現れています」と取締役営業部長の岸川剛氏は断言する。

 「応研製品を推奨していただいているパートナー様は、『他社のパッケージソフトでは導入できなかった企業への導入が、大臣シリーズではうまくいった』とおっしゃるところが多い。パッケージソフトでありながら、お客様に合わせた仕様に変更できる自由度の高さが要因となっているようです。その結果、企業規模の大きなお客様の導入例が増えるなど、よりきめ細かいパートナーサポート体制が求められるようになってきました。東京本社ではそうした声に応えて、パートナーおよびお客様フォローを実施していきたい」と続ける。

 特に08年3月に発売した「大臣2008シリーズ」では、Windows Server 2008のターミナルサービス機能を活用した、複数拠点を接続した利用が、よりローコストで、手軽でありながらもセキュアに実現できるようになっている。複数拠点を接続して利用する場合、大臣シリーズのノウハウに加え、回線やネットワーク機器、セキュリティなど広範囲なノウハウが必要となる。

 営業とはいえ、技術知識がなければ販売パートナーへの支援が難しい商談において、岸川営業部長は次のように支援体制について話す。

 「東京本社では技術的な視点をもって営業ができる人員を増やし、複雑なシステム構築をメーカーとして支援する体制を引き続き強化しています。技術を知った営業スタッフが必要という声は増加しており、この部分はさらに強化していきます。また、お客様からのご要望が多い点については、営業部門のスタッフが次期製品開発に生かす体制も整えています。例えば、セキュリティの設定については、よりセキュアな環境を望む声も多く、今後は静脈認証システムに対応するなど、お客様の声を製品に反映していきます」

各業種の専門知識と新製品への移行
円滑に支援する技術体制を確立


 応研の営業チームは、技術支援に加え、「建設大臣」、「福祉大臣」、「医療大臣」、「公益大臣」など強みを持つ業種の専門知識を持つことで、パートナーや顧客フォローができる体制を整えていることが大きな特徴となっている。

 「今年は建設業の法改正、公益法人の法改正が大きなトピックとなっています。法改正による影響といった専門的な話については、建設業経理士、社会福祉法人会計基準の認定資格を有したスタッフがおり、お客様の立場で営業支援ができる体制を整えていることが大きな強み」(岸川部長)。

 この「建設業経理士」というのは、建設業に関する簿記・会計の専門知識が必要な資格制度。以前は、「建設業経理事務士」という名称であったが、現在では資格の1級、2級が「建設業経理士」という名称で、3級、4級が「建設業経理事務士」の名称となっている。

 建設業経理士が在籍する建設業者は、入札の際のポイント加点につながるなど建設業者にとっては重要な資格制度。応研には、この資格を取得したスタッフがおり、まさに建設業者の目線に立った顧客支援が行える体制を整えている。

 「建設業への販売経験が少ないパートナー様を支援していくことも可能」(岸川部長)で、メーカーとパートナーが一体となった営業体制を実現している。

 また、今年12月に変更が予定されている公益法人の会計制度についても、「専門団体と連携し、公益法人のお客様を支援する体制を現段階から構築しています。新たに『公益大臣』を販売したいというパートナー様を営業支援する体制もあるので、気軽に当社に声をかけて欲しい」と岸川営業部長は話す。

 専門知識が必要な特定の業種をターゲットとした営業は、経験がないと新たに踏み込むことを躊躇してしまうパートナーも多い。しかし、法改正は新たにソフトを導入するユーザーが増加するタイミングであり、販売パートナーにとっても大きなビジネスチャンスだ。応研側では積極的にパートナーをフォローする体制を整え、対応していく計画だ。

秋登場予定の新製品では
SI事業者との連携も計画


 営業部隊の今後の大きな課題となるのが、現在開発中の新しい製品を販売していくための体制作りだ。より規模の大きな企業への導入を視野に入れ、開発している製品だけに、システムインテグレーション能力をもった販売パートナーが必要となる。

 そのあたりの体制について岸川営業部長は、「新製品は、これまでのパッケージソフトでは実現できなかったお客様の要望を吸収しながら、オーダーメイドのシステムとは違う、低コスト、短期導入を可能としたものとなっています。大臣シリーズが最初の製品を販売してから20年、従来からSI的な導入がしたいという声がパートナー様からあがっていました。新製品はそこに応えることができるものになります。是非、期待して欲しい」とコメントする。

 既存のパートナーは、業種知識が豊富な企業やネットワークシステム構築を得意とする企業など、それぞれ異なる得意技を持っている。「こうしたパートナー様の得意技をより生かすことができるのが、新しい製品」と岸川営業部長は考えている。

 「新製品を機会に、新たに応研のパートナーとなる企業もあれば、既存のパートナー企業が新しい売り方を始めるケースなど、いろいろ想定できる」というだけに、技術、業種知識の両面から営業支援体制を強化し、対応していく計画だ。

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