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<セキュリティソリューション特集>情報システムだけではなくビジネスも守る(下)

2008/08/21 19:56

週刊BCN 2008年08月11日vol.1247掲載

ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン
パートナーと共に新規中小企業市場を開拓
「見えるファイアウォール」で「セキュリティの可視化」を実現

セキュリティを付加したファイアウォール

 ウォッチガード・テクノロジーは1996年よりネットワークセキュリティに注力している企業だ。ファイアウォールベンダーとして日本のみならず世界でも知名度が高い。

 同社の製品ラインアップは、SOHO・小規模ネットワーク向けの「Firebox X Edge」、中・大規模ネットワーク向けの「Firebox X Core」、大規模・エンタープライズネットワーク向けの「Firebox X Peak」シリーズを用意し、顧客企業のネットワーク規模に応じた製品を提供している。

 これらのシリーズは、「統合脅威管理(UTM:Unified Threat Management)アプライアンス」である。ファイアウォールのほかにアンチウイルス/アンチスパムメールをはじめとして、侵入阻止やURLフィルタリングなどのセキュリティ対策を1台のアプライアンスで施すことができる。「お客様は“何ができるか”を知りたいのだと思います。そのため、“UTM”という言い方ではなく、“セキュリティ機能が付加されたファイアウォール”ということからご説明します。次世代のファイアウォールとして、その他のセキュリティ機能も高められると訴求し、より多くの中堅・中小企業のお客様への導入にも結びついています」と、代表取締役社長の本富顕弘氏は語る。

 それだけではない。同社の製品は、管理・運用性が高く、専任のITマネージャーを配置できない中小企業にとっても扱いやすい。ポイントソリューションを拡充し続け、管理・運用しきれていない企業にとって朗報と言える。さらにセキュリティの可視化を実現する「WSM(WatchGuard System Manager)」の評価も高い。「WSMは、多彩なレポート・分析機能を有しており、“見えるファイアウォール”という訴求をしています。これまでファイアウォールはブラックボックスでしたが、ユーザーのネットワークに何が起きているかリアルタイムに把握でき、セキュリティがしっかり運用されていることを目で確認でき、ユーザーの安心感を提供します」(本富社長)。またWSMは、多拠点のFireboxの一元管理を実現し、大規模ユーザーにとってもメリットの多いソリューションとなっている。

 「見えるファイアウォール」では、どれだけの攻撃があったのか、ウイルス/スパム対策の効果などをグラフィカルに表示・分析する。Fireboxの導入効果をはかるだけにとどまらず、その結果を活用することで、企業のセキュリティマネジメントを支援することも可能だ。現在、情報漏えい対策や内部統制、事業継続性の確保は、大企業のみならず中堅・中小企業にとって避けることのできない課題である。ウォッチガードは、ネットワークセキュリティの可視化を実現させることにより、そのような企業課題に応えている。

市場を広げるべくパートナーと協業を推進

 「当社は、パートナー様と共に市場を広げていきたいと考えています。首都圏はもちろん、地場に強いパートナー様、特定の事業領域専門のパートナー様にとっても、当社のアプライアンス製品は扱いやすく、付加価値の高いソリューションだと思います」(本富社長)。

 同社では、30日間の無償評価プログラムを用意している。顧客企業に設置したFireboxのWSMを使えば、そこでの効果が可視化されることになる。また、パートナーはWSMの機能を使い「マネージドセキュリティサービス(MSS)」を提供することも可能だ。従来の「マネージドサービス」は、中堅から大企業をターゲットにしたものがほとんどだったが、ウォッチガードは中小企業にもその範囲を広げた。「ネットワークセキュリティにおいて新しいビジネス展開を模索しているパートナー様は、ぜひ当社とのアライアンスで新規市場を開拓してください」(本富社長)。




ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン=http://www.watchguard.co.jp/

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