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<セキュリティソリューション特集>「セキュリティ=保険」から「セキュリティ+付加価値」の時代に(下)

2008/10/13 19:56

週刊BCN 2008年10月13日vol.1255掲載

クオリティ
中小企業から大企業までニーズが顕著に
SaaS/ASPが新たなビジネスチャンスを創出

一歩踏み込み「対処まで」適応範囲を広げた新バージョン

 クオリティがエンジン提供し、iDC/ISPがサービス提供しているSaaS/ASP PC管理サービス「ISM(IT Security Manager)」が好調に推移し、すでに1000社ほどの企業が採用している。 「リソース不足により、専任の管理者を配置できない企業からのニーズが非常に高いことがわかりました。現状を把握してアラートを出すといったことだけではなく、ウイルス対策ソフトの定義ファイルを強制的に更新する、ポリシで使用を認めていないソフトウェアの起動を制御するといった“対処”まで踏み込んだ対策が求められています」と、インターネットサービスグループの坂田氏は語る。

 そのためには、問題のあるクライアントPCを「治癒」し、企業の情報システムを常に「あるべき姿」に近づけていく、といったソリューションが必要である。 これらの機能は、11月中旬をめどに実施される次のプログラムアップデートで実装される予定だ。

 さらに、ソフトウェアライセンス管理の強化も図られた。従来であれば、購入しているライセンスと実際に導入されているソフトウェアとをつきあわせてライセンス管理を実現していたが、「ISM」がライセンスの購入体系を見直す提案まで行う。コンプライアンスに加え、コスト削減にも寄与するソリューションとなった。

 「“ISM”は、大企業からの引き合いも増えています。リース取引に関連する法改正により、リース会社間の競争が激化していることが背景としてあります。それらの企業が付加価値を高めるため、パソコンの購入から廃棄までのライフサイクル全般をサポートするサービスなども提供し始めていますが、ここでも“ISM”のエンジンが活用されているのです」(坂田氏)。 実際に「ISM」をエンジンとしたライフサイクルマネジメントサービスを提供している企業が増えている。導入・運用の手間もかからず、購入から廃棄まで、PCのライフサイクル全般のマネジメントを具現化できるツールとして「ISM」を活用するメリットは非常に大きい。

SaaSを使うことで認証サーバーの運用・管理が不要に

 また、ドキュメントのアクセスコントロールに関しても、SaaS/ASPを活用しはじめている。同社では、この分野を開拓してきた経験があり「DKS Plus」は業界でも知名度の高いソリューションとなっている。ドキュメントのアクセスコントロールを実現するためには、何らかの認証サーバを設置する必要がある。閲覧の際は、逐一サーバ認証を行うことで、万が一関係者以外に、機密ファイルが流出した場合でも、ファイル内の情報を漏えいさせないためだ。 「重要な機密情報だからこそ、アクセスコントロールをしていると思います。そのため、認証サーバの冗長化構成は必須でした。その部分を、ASPのサービス“DKS Plus for ASP”として提供することで、サーバの運用管理を気にすることなく、サービスを利用できます」(坂田氏)。

 これまで認証サーバの管理リソースの部分が導入障壁となっていた企業でも、重要ファイルのアクセスコントロールを利用することができる。 機密情報を業務として扱っている製造業や、個人情報などを扱っている人材派遣会社など、非常に多くの市場がターゲットとなる。

 大企業から中小企業に至るまで、企業規模を問わずSaaS/ASPは新たなビジネスチャンスを生み始めた。ニーズに応えることで、新規市場も開拓している。クオリティのSaaS/ASPには、多くの企業が注目している。

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クオリティ=http://www.quality.co.jp/

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