Special Issue

<オフィスプリンタ特集>多様化するニーズに応える多彩なソリューション

2008/10/24 19:56

週刊BCN 2008年10月20日vol.1256掲載

【Column】プリンタ業界における最新キーワード解説

 プリンタは情報を出力するだけではない。「印刷できればどの機種でも同じ」というのではなく、製品やメーカーが提供している付加価値を十分理解して選ぶべきだ。ここでは、プリンタを選ぶ際の指標となる最新キーワードについて解説していく。

TEC値

 機器がどれほどの電力を消費しているかを示す指標の1つ。稼働とスリープ/電源オフなどが繰り返される5日間と、スリープ/電源オフ状態の2日間を合わせた「概念的1週間」の消費電力量のことで、実際に機器がどれほど電力を消費するかが、この数値で明確になる。TEC値を参考にすることで、エネルギーコストの削減や地球環境配慮などにもつながることが期待できる。

カウンターチャージ方式

 「カウンターチャージ方式」は、出力枚数に応じて課金される課金方式で、主にコピー機や複合機などで採用されている。「カウンターチャージ方式」では、課金されるなかに保守・サポート費用も含まれている。トナー・ドラムユニットや定期交換部品などの料金が合算されているケースもあり、ランニングコストを平準化できるというメリットがある。

 一方、プリンタには消耗品や保守費用が別途かかるが、出力枚数に応じた課金はない。トナーやドラムユニットといった消耗品の交換時には、一時的にコストがかかるものの、普段の運用の範囲内ならコストを抑えることができる。

 複合機業界で一般的に採用されている「カウンターチャージ方式」がコスト高につながるとして、複合機でも「カウンターチャージ方式」を採用しないメーカーが登場し始めている。この方式ではプリンタと同様に、トナーやドラムユニットなど必要に応じて購入することになる。

 印刷する枚数や印刷環境によって、どちらの方式のコストメリットが高いのかは判断が分かれるところだろう。しかし、保守をアウトソーシングできる「カウンターチャージ方式」は、いまでも根強い人気がある。この「カウンターチャージ方式」は、オフィスプリンタでも利用ニーズが高いのだ。

 最近では、プリンタにおいても「カウンターチャージ方式」を採用したサービスも提供され始めている。

LEDプリンタ

 レーザープリンタは、レーザー光源を利用して感光体への書き込みを行うが、LEDプリンタは、「発光ダイオード(LED)」を利用する。レーザープリンタの場合、光線をポリゴンミラーで反射して走査するため、ポリゴンミラーやミラーを回転させるモーターが必須であった。そのため、ある程度の容積を必要とするという欠点があった。また、光線の走査には、高い技術力やノウハウが必要である。そのため、レンズの技術を持つメーカーが、レーザープリンタ市場においてもシェアを獲得していた。

 LEDプリンタの場合、用紙幅に合わせたLEDプリントヘッドを用意すればよく、大幅な小型化を実現できる。また、プリントヘッドを大量生産すれば安くなり、コストメリットも出しやすい。最近、「小型」を訴求するプリンタが多くなったのは「LEDプリンタ」が増加しているためということもできるだろう。また、機構がシンプルなので、故障率の低減も期待できる。

後処理装置

 印刷後の丁合や仕分け、紙揃え、ステープルやパンチ穴開けなど、資料印刷後の処理を行う機器が「後処理装置(フィニッシャー)」である。これらは、複合機のオプションとして活用されてきたが、最近ではセンタープリンタなどでも同様のオプションを利用するケースが増えている。業務生産性を向上させるために必要なオプションと言えるだろう。