日本は今、米国の金融危機に端を発する世界同時不況の影響で「未曾有の経済危機」を迎え、いまだ好転する兆しが見えない。企業の黒字倒産が相次ぐなか、キャッシュフローを重要視する企業が増え、「コスト削減」というキーワードが注目されるようになった。しかし、たとえ目の前のコストを削減したとしても、生産性や業務効率が下がれば人件費の無駄遣いにつながり、結果としてトータルコストが増大することになりかねない。そんな事態を引き起こさないためにも、生産性や業務効率を低下させずにコスト削減を実現する方法を見つけていく必要がある。

生産性・業務効率を低下させずにコストを削減するIT活用とは

企業システムは統合し、管理・運用コストを削減

 ITは、これまで生産性や業務効率の向上を実現するために導入されていた。しかし現在、そのITをコスト削減に活用しようとする動きが活発化している。例えば、「サーバー統合」だ。オープン化というトレンドの影響で、企業は多くのサーバーを導入してきた。それにより、業務ごとの最適化が実現し、生産性が向上した。しかし、多くのサーバーが導入されたことで、管理・運用の工数が増大し、新たな課題も生まれた。この場合、「サーバー統合」を進めれば、管理・運用工数を削減しつつ、生産性も維持することができる。さらに、台数が集約されることによって、ハードウェアリソースが無駄なく利用できるようになり、サーバーやハードウェアで消費されるエネルギーに加え、冷却コストも下げることができる。まさにITを活用した「コスト削減」の好例といえよう。

無駄な「印刷」をゼロに 現場でもコスト削減を

 このような「コスト削減」の動きは、現場でも徹底され始めている。特に、「エネルギーコスト」や「印刷」にかかわる部分での「コスト削減」を進める企業は多い。例えば、使っていない機器の電源をオフにする、就業時刻が過ぎれば空調を止める、蛍光灯は必要最小限しかつけないといった対策は、特別な技術がなくてもすぐにできることだけに、実践している企業は多い。

 印刷物についても検討の余地はある。普段はあまり意識されていないが、出力するたびにモノクロで数円、カラーで数十円のコストがかかる。印刷枚数が多ければ、それだけコストがかさむのは明白だ。そのため、集約印刷や両面印刷を推奨する企業は多い。しかし、それでも「無駄」はなくならない。印刷ミスや「出しっぱなし印刷」を管理するのは、容易なことではない。そこで、ICカードリーダ付きのプリンタを活用し、「無駄」な印刷をなくすというソリューションが注目されている。この場合、ICカードで認証されなければ、そのデータは印刷されないため「必要なもの」だけを印刷できるようになる。

 生産性・効率を落とさず、「コスト削減」を実現していくITソリューションは、「未曾有の経済危機」対策としても有効だ。「コスト削減」への要求がさらに高まっていくなか、こういった視点からも注目されていくだろう。。

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