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<プリンタメーカー座談会>2010年度もエコとコスト削減が主テーマ 官需を中心にモノクロ機需要増す(後編)

2010/03/25 19:56

週刊BCN 2010年03月22日vol.1326掲載

依然、キーワードは環境とコスト削減
ITインフラ全体を含めた取り組みを促進

 ──次に、2010年度の国内プリンタ市場が伸び続ける、あるいは各社が販売促進するうえでのキーワードは何でしょうか。ちなみに、09年度は、リーマン・ショック以降の景気後退を受け、「環境配慮」や「コスト削減」が大きくクローズアップされた年と認識しています。

 松永(キヤノンMJ)
 使用済みトナーカートリッジを回収し、100%再資源化する「トナーカートリッジリサイクルプログラム」が、2010年で20周年を迎えました。このプロモーションと連動しながら、キーワードとして「環境配慮」を打ち出します。

 これを受けて、パートナー様やお客様向けのプロモーションを本格化するとともに、製品開発でもページプリンタだけでなく全製品で「環境配慮」に関連した展開をし、TEC値(消費電力量の適合基準)などを意識しつつ、お客様のTCO削減に貢献する展開を強化します。

 岡田(NEC) 2010年度のキーワードとしては、昨年度に引き続き、環境(エコ)とコスト削減でしょう。環境面でNECは「オフィス丸ごとエコ」と題し、プリンタだけではなくパソコンやサーバーなどITインフラや施設全体の消費電力の監視を含めた取り組みを提案していきます。とくに、プリンタ関連では導入コストを含め、いかに全体のコスト削減を図るかということで、サービス・メニューをお客様に提示していこうとしています。サーバーのメンテナンスを遠隔監視するようなトータル提案になります。

 さらに、クラウドコンピューティングもキーワードとして掲げています。IT端末を含め新しいITインフラに変えていくという動きを進めます。人に近い「マンマシン・インタフェース」をより使いやすくするためのサービスを提供できることが重要と考えています。

 宮西(エプソン販売) ここ数年、当社では、「知って、知らせて、使っていただく」というキャッチフレーズを掲げています。「買い替え」を促進する場合でも、お客様のIT環境を理解したうえで、適切な製品を提案し、適切に使っていただくということです。そのなかで、「環境」と「TCO削減」は外せないキーワードと考えています。

 とくに、「環境」については、同等のページプリンタに比べて消費電力が約92%、CO2排出量は約76%低減できる「ビジネスインクジェットプリンタ」をラインアップしています。

 また、「ページプリンタ」をお使いのお客様に対しても、「いつ」、「誰が」、「何を」印刷しているのかを確認することで、無駄な印刷の抑制に効果がある、印刷管理ソフトウェアをご提案しています。このほか、消耗品についてトナー代だけお客様にご負担をいただき、使用済みカートリッジは返却していただく「環境推進トナー」のご用意や、使用済みのインクやトナーカートリッジの積極的な回収も行っています。

 これらについては、ここ数年、お客様に対する利点としてコミュニケーションを展開しており、認知度も高まっています。

 中村(リコー) 2009年度は「コスト削減」と「エコ」だと皆さまがおっしゃいましたが、ここにきて、当社ではこの関連でのサービスなどが具現化されてきています。すでに環境面でのサービスとして、オプションのソフトウェアや部品などを事前に装着し、ダンボール箱でなく何度も使用可能な「ラック」で配送する「工場キッティング」を実施していますが、官公庁・自治体をはじめ、民間企業でも、ゴミゼロを目指す活動のなかで、「工場キッティング」を活用する例が増えてきています。この活動は各パートナー様にも紹介し、販売面で役立てていただこうと考えています。

 また、モノクロレーザープリンタの一部製品では、省資源化・ゴミ排出量削減を実現するため「環境貢献トナー」を採用しています。これからもお客様の環境活動にも貢献するため拡充を図っていく考えです。さらには、「CO2見える化プロジェクト」と題した活動では、「@Remote」で使用状況をお客様にエコレポートを提出する活動をしています。

 コスト削減の面では「TCO削減ツール」などさまざまなプリンティングソリューションを用意し、これらをパートナー様に紹介し、プリンタの拡販につなげていただきたいと考えています。

 大澤(ブラザー販売) 当社でも、皆さんと同様にコスト削減がキーワードになると考えています。当社のFAX付き複合機には、通信費を削減するインターネットFAXを搭載した機種もあり、例えば多店舗展開する企業において、本部と店舗間のFAX通信費を大幅に削減できるメリットがあります。また、スキャナの高機能化で、文書の電子化による印刷コストの削減を実現します。環境という軸では、トナーカートリッジ回収の拡大や、梱包の小型化で輸送時のCO2削減を実現するなど、全体施策としてアピールしていきます。

ブラザー販売
大澤敏明 氏

マーケティング推進部
商品企画G担当部長


【担当領域】
ビジネス向けプリンタと複合機、家庭用複合機、ラベルプリンタ、モバイルプリンタのマーケティングを担当する。

MFC-9120CN(A4カラー複合機)
モノクロ:最高16枚/分
カラー:最高16枚/分
用紙サイズ:A4
参考価格(税込):7万9980円

MFC-8380DN(A4モノクロ複合機)
モノクロ:最高30枚/分(片面)
最高13枚/分(両面)
用紙サイズ:A4
参考価格(税込):4万9980円

【主力製品】
 ブラザー販売は、ビジネス向けプリンタ・複合機「ジャスティオ」シリーズにおいて、カラーとモノクロのプリンタ・複合機を展開している。主力機は、A4カラー複合機だ。
 2009年は新エンジンを搭載し、本体の小型化および、カラー・モノクロともに毎分16枚という高速印刷を実現したA4カラー複合機「MFC-9120CN(FAX付)」と、A4カラープリンタ「HL-3040CN」を新ラインアップとして加えた。
 また、同時期にA4モノクロ複合機「MFC-8380DN」を発売している。現在、「ジャスティオ」シリーズではレーザープリンタで8機種、複合機で15機種の計23機種のラインアップを揃えている。

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