クラウド/ホスティング市場が急成長している。ホスティングベンダーや通信キャリア、有力SIerなど情報サービス業界の主要プレーヤーがこぞって次世代のクラウドサービス商材を開発。かねてからの「所有から利用へ」の流れに、こうした新商材の開発競争が、需要をより一層刺激している。座談会では、クラウド/ホスティング市場の最前線で活躍するキーパーソン6氏に語っていただいた。


インターネットイニシアティブ(IIJ)
マーケティング本部 GIOマーケティング部部長
小川晋平 氏

NTTコミュニケーションズ
ビジネスネットワークサービス事業部 販売推進部担当部長
中山幹公 氏

NTTPCコミュニケーションズ
データセンタ事業部 技術開発部部長
伊藤琢巳 氏

GMOクラウド
代表取締役社長
青山満 氏

ビットアイル
マーケティング本部 事業推進部部長
高倉敏行 氏

日本ラッド
執行役員 ネットワークコンピューティング事業本部長
岡田良介 氏

司会・進行 「週刊BCN」編集部 安藤章司


 クラウド・ホスティングサービス事業者座談会では、ホスティング、通信、SIerの三つの分野からそれぞれキーパーソンにご登場いただいた。ホスティングではGMOクラウドとビットアイル、通信ではインターネットイニシアティブ(IIJ)とNTTコミュニケーションズ、NTTPCコミュニケーションズ、SIerでは日本ラッドの計6人の方々だ。先行き不透明感が強まる情報サービス市場において、クラウド/ホスティング市場は数少ない成長市場であるとともに、ITシステムの集積度が高い首都圏における東日本大震災以降の電力不安は、電源設備が充実しているデータセンター(DC)への移設をより一層促す。めまぐるしく変化する市場動向や、主力のクラウド/ホスティング商材、ビジネスパートナー施策について話を聞いた。

期待高まる有望市場
大震災を乗り越える力強さ

ビジネスの伸び、顕著に

 ──クラウド/ホスティング市場は、右肩上がりで伸びている貴重な分野です。3月11日に発生した東日本大震災で情報サービス業も大きな打撃を受けましたが、震災から2か月余りたった今、クラウド/ホスティングビジネスの直近の動向について、まずはお話ください。

インターネットイニシアティブ(IIJ)
マーケティング本部
GIOマーケティング部部長
小川晋平 氏
 小川
 インターネットイニシアティブ(IIJ)でマーケティングを担当として、震災後の2か月、失速感はまるで感じていません。むしろ当社クラウドコンピューティング基盤の「IIJ GIO」ビジネスの伸びはより顕著になっています。「所有から利用」への流れのなかで、2010年後半から受注の伸びが明らかに増加。さらに、大震災直後の首都圏・東日本における計画停電で苦労をされたユーザーを中心に当社クラウドサービスへ移行する動きが加わりました。当社の主力データセンター(DC)は関西地区にもありますので、地理的なリスク分散や節電対策として電力消費地のシフトを望むユーザーニーズにも応えられます。

 中山 NTTコミュニケーションズ(NTT Com)では、「BizCITY」のラインナップとして、クラウドホスティングサービス「Bizホスティング ベーシック」を提供しています。私どもでも、2010年の春あたりから具体的な引き合いが急増しており、確かな手応えを感じるようになりました。クラウド活用の利点は様々ありますが、これまではコスト削減を主眼とした検討が先行していたように思いますが、震災後は、BCP・節電・アウトソーシングといった目的が増えていると感じています。

 伊藤 NTTPCコミュニケーションズは、NTT Comのグループ会社としてNTT Comとは異なる領域でクラウド/ホスティングビジネスを展開しています。NTT Comが割と大きなシステム規模の案件が多いのに対して、当社は中小規模のコンピューティングがメイン。1997年から「WebARENA」としてハウジング/ホスティングを提供。2010年7月からはクラウドニーズに対応した「WebARENA Symphony仮想環境構築」等で、従来のハウジングやホスティングに並んで受注が伸びています。

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