今年で3回目を迎えたx86サーバーメーカー座談会。有力メーカー6社のキーマンの参加を得て、昨年度の実績と今年度の販売戦略、自社製品の特徴などについて語り合っていただいた。東日本大震災を経験した国内のユーザー企業は節電対策や事業継続計画を真剣に考えなければならなくなった。それにつれて、サーバーに求められるものも変化している。有力メーカー6社はどのような戦略で臨もうとしているのか。


NEC
プラットフォームマーケティング戦略本部 統括マネージャー
浅賀博行氏

シスコシステムズ
パートナービジネスアーキテクチャビジネス推進
データセンタービジネスデベロップメントマネージャー
末永孝英氏

デル
CSMBマーケティング本部シニアマネージャ エンタープライズブランド
木口弘代氏

日本IBM
システム製品事業システムx事業部 事業部長
小林泰子氏

日本ヒューレット・パッカード(日本HP)
エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括
サーバーマーケティング統括本部事業企画部部長
宮本義敬氏

日立製作所
エンタープライズサーバ事業部 統合プラットフォーム販売本部販売推進部担当部長
高群史郎氏

司会/木村剛士 文/鍋島蓉子


キーマンが一堂に会し、戦略を披露

前年並か若干増と、回復傾向に
震災の影響受けるも、各社好調


 ――まずは昨年度(2010年4月~11年3月期)を振り返って、販売実績を教えてください。

NEC 浅賀博行氏
IT製品とネットワーク関連機器のマーケティングを担当する部門で、主にx86サーバーやUNIXサーバー、ストレージの商品企画、販売促進戦略の立案を担う。
 浅賀(NEC) 上期は順調でしたが下期は若干足踏み状態で、期末に東日本大震災の影響もあり、通年では、出荷台数ベースは前年度並み、金額ベースはブレードなど単価の高いモデルが好調で、ふた桁成長を達成しました。特に、中堅・中小規模のお客様でサーバー統合の引き合いが増えたこともあり、ブレード販売が対前年30%増加しています。

 末永(シスコシステムズ) シスコは2009年(日本)よりデータセンタービジョンを掲げ、ネットワークからサーバーまでを提供できるベンダーを目指しサーバービジネスに参入しました。ただサーバーベンダーとしては新参者ですから、昨年度は拡販に向けた準備期間と捉えています。シスコは「サーバーもやっている」ことを知ってもらうことと、パートナーの開拓に力を注ぎました。ネットワーク機器でおつき合いがあるパートナーに「仮想化環境に最適なCisco UCSシリーズ」も取り扱ってもらえるように提案し、現時点で一次店が10社、二次店様への提供を担うディストリビュータは2社とパートナーシップを結ぶことができています。

 木口(デル) 震災の影響もあり、予想に比べて、若干伸び悩みましたが、総じていえばプラス成長ですね。とくに大規模、大手企業向けの販売が確実に伸び、データセンター(DC)事業者を含めたITサービス事業者からの引き合いは堅調に増えました。

 小林(日本IBM) ユーザーサイドでいえば、一昨年度は厳しかった業種の企業も回復し、大型案件も増加しました。とくに仮想化への移行が活発化していますし、DC事業者からの引き合いも増えています。官公庁についてはもう少し需要を取り込めればよかったですが、製造業を含めて、全体的に好調でした。

 宮本(日本HP) 金額ベースでは、ふた桁成長を果たすことができました。ハイ・パフォーマンス・コンピューティング(HPC)向けモデルの需要が復活。仮想化の案件では、システムの運用を自動化するソフトとセット販売することで、大容量のメモリを使用することになりますから、製品単価を引き上げることにもつながりました。

 高群(日立製作所) 統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」を中核に据えて、x86サーバー全体を伸ばすのが日立の戦略ですが、仮想化やサーバー統合の増加に伴い、大容量メモリなどを搭載した高性能サーバーの採用が増えました。結果的に、x86サーバーの主力製品は、台数・金額ともにふた桁伸びています。

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