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<在宅勤務ソリューション特集>アレイ・ネットワークス 遠隔から簡単に会社のパソコンを使う

2011/09/29 19:55

週刊BCN 2011年09月26日vol.1400掲載

 東日本大震災や電力供給不足を受けて、業種や規模を問わず、多くの企業がBCP(事業継続計画)の対策を迫られている。ITベンダーはさまざまなBCP関連ソリューションを提供している。だが、実際に利用する企業は、BCP導入のハードルの高さに直面することになりがちだ。そこで、簡単に導入することができる在宅勤務用のリモートアクセスソリューションを紹介する。

「DesktopDirect」iPadイメージ

リモートアクセスで生産性高い在宅勤務を実現

 ITシステムのユーザー企業は、東日本大震災が発生してからのおよそ半年の間に、BCPに対する認識を高めている。地震などの自然災害だけではなく、伝染病が流行したり、交通機関が不通になったといったときにも、生産性を損なわずにビジネスを継続することは、企業経営者にとって重要な課題になっている。BCPの構築にあたって肝心なのは、社員が出社できなくなった場合であっても、ITを活用して、在宅で通常どおりの仕事がこなせる環境を整えるということである。

気軽に導入できる

プロダクトマーケティング部
大塚健一郎マネージャ
 米国に本社を置き、ネットワーク技術を開発・提供する専業メーカーのアレイ・ネットワークスは、「どこからでも、どんな機器からでも勤務先のWindowsデスクトップにセキュアにアクセスできる」ことをコンセプトにしたリモートデスクトップアクセスソリューション「DesktopDirect」を提供している。

 同社は、2年ほど前からパートナーを介して「DesktopDirect」を日本市場で販売しており、昨年、iPhone/iPadへの対応を実現し、つい先日、Android端末にも対応した。ユーザー企業のニーズに合わせ、ソリューションの利便性を着実に向上させている。

 アレイ・ネットワークスのプロダクトマーケティング部・大塚健一郎マネージャは、「iPhone/iPad対応や、BCPの必要性が深く根づいてきたこともあって、このところ『DesktopDirect』への引き合いが非常に高まっている」と、ビジネスが活発になっている状況を語る。「DesktopDirect」は、低価格であり、IT初心者でも使いやすい操作性を実現しているので、「大がかりなイメージがある従来のBCPソリューションとは異なり、気軽に導入することができるのがポイントだ」(大塚マネージャ)と訴える。

セキュリティを強固に

 アレイ・ネットワークスは、「DesktopDirect」の開発にあたって、強固なセキュリティと操作を簡単にすることを重視した。セキュリティ面では、仮想化ネットワークの暗号化技術「SSL-VPN」を採用し、転送するデータを暗号化することで、セキュアな通信環境を実現している。また、本来のデータやそれを処理するアプリケーション自体はあくまでオフィス内のPC上で実行・保存されるため、情報漏えい対策も万全な上に、環境を二重化することによるコスト増加や生産性低下を防ぐ。大塚マネージャは、「米国では大手金融機関が『DesktopDirect』を導入しており、セキュリティの高さを評価している」と、ソリューションの「安心・安全」に自信をみせる。また、「特定の端末にしかアクセスさせたくないとの日本のユーザーの要望を受けて、端末認証の機能を強化している」ともいう。

 操作性の面では、ユーザー自身が接続の対象となるパソコンを登録することができる機能を備えている。ユーザー自身が登録を行うので、IT管理者がいない企業でも簡単に利用することができる。さらに遠隔地からの電源オン/オフができるので、会社のパソコンを閉じて帰宅しても、自宅からそのパソコンを起動させることが可能となる。つまり、自宅にいながら会社のパソコンを操作することができるわけだ。

パートナー支援を強化

 在宅勤務を支援するITソリューションは、震災や伝染病の発生などの非常事態に限らず、日常においても企業の生産性を保つために、必要不可欠になりつつある。大塚マネージャは、「例えば、社員の子どもが熱を出して、有給休暇を取るというのは珍しくないケース。こんなときに、自宅から会社のパソコンでいつも使っているアプリケーションにアクセスすることができれば、子どもが寝ている時間を生かして仕事をこなすことができる」と、在宅勤務ソリューションの身近な利用シーンを紹介する。

 アレイ・ネットワークスは、「DesktopDirect」を商材として、中堅・中小企業(SMB)市場の開拓に取り組んでいる。「SMBは、コスト面ばかりを懸念して、セキュリティも生産性も高い、真に有用なリモートアクセスソリューションをまだ導入していない企業が多い。『DesktopDirect』は、低価格で、高いセキュリティと生産性を実現しているので、今後、多くのSMBに注目していただきたい」(大塚マネージャ)と意気込みを示す。同社は今秋に向けて、パートナー制度をつくり、販売店の支援策を強化していく計画をもっている。

「DesktopDirect」説明図

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外部リンク

アレイ・ネットワークス=http://www.arraynetworks.com/jp/