消費税改正の特需によって、OSKの2014年12月期第1四半期は、「財務会計」「販売管理」の両システムが大きく伸びた。国からの正式なアナウンスはまだないものの、すでに消費税率10%への引き上げ、そして軽減税率への対応を見据え、次の特需に向けた商談にも続々と芽が出ている。それでも、業界全体が特需の反動を受けているのが実情だ。そこでOSKは、周辺系のシステムに力を入れ、ユーザーの業務改革に焦点をあてて収益を確保しようとしている。

「攻めのIT投資」増でCRMが好調 多くのテンプレートを揃える

石井ふみ子
本部長代理
 現在、OSKの基幹業務システム「SMILE」シリーズの成長を支えているのが、「CRM(顧客関係管理)」と「勤怠管理」「人事給与」システムだ。

 CRMは、企業の業績を向上する「攻めのIT投資」の需要に応える代表的なソフトウェア。「SMILE CRM」は一般的なCRMとはひと味違う。石井ふみ子・営業本部本部長代理は、「データベースに定義する管理対象を、顧客個人の情報に限定することなく、法人、商品、物件など、自由に設定できる。もちろん、営業支援に使うこともできるが、中小企業ではそのニーズがないことが多い」と説明する。

 使い方の自由度が高いぶん、売り方は難しい。そこでOSKが力を注いできたのが、業種ごとのテンプレートの充実だ。「根本には、手書きやExcelでやっていた業務をいかに自動化するか、という視点がある。例えば、法律事務所向けの顧客管理など、一連の業務の流れを踏まえてテンプレートを揃えた。すでに30~40種類ある」(石井本部長代理)という。さらに、テンプレートごとに売り方のストーリーをつくり、それをパートナーに伝えてきた。こうした取り組みが実を結び、「『会計』『販売』が少し落ちたときに、それをカバーするサイクルができた」と、石井本部長代理は語っている。

「人事給与」と「就業管理」を連携 ブラック企業撲滅へ高まる需要

 一方、「勤怠管理」「人事給与」の好調は、厚生労働省の職場意識改善助成金制度に後押しされている感があるという。これは中小企業向けに労働管理の適正化などを支援する助成金で、申請書の締め切りは10月末。OSKはセミナーなどで制度の周知に努め、ユーザー企業の投資を喚起してきた。石井本部長代理は、「ブラック企業と呼ばれたくないという意識がIT投資を後押ししている」と、現在の状況を語る。

 商材は、「SMILE 人事給与」に日通システムの就業管理システム「勤次郎」を連携した「SMILE勤怠管理ソリューション」がメインだ。また、小規模ユーザーには、アマノの「TimePro」シリーズとの連携で提案することもある。グループウェアのワークフローで出退勤を管理するニーズにも、OSKの「eValue NS」がぴったりだという。

タブレット端末対応で差異化 「kintone」や「FileMaker」とも連携

 SMILEシリーズのタブレット端末対応ニーズも高まっていて、案件数が伸びている。大きなトレンドである「ワークスタイルの変革」の流れに沿った動きといえるだろう。

 例えば、基幹システムをタブレット端末で利用する場合、SMILEサーバーのデータを直接使うことになるが、これはSMILEシリーズのカスタマイズや個別システムの構築に対応する開発支援ツール「Custom AP Builder(CAB)」を導入すれば実現できる。また、SMILEシリーズは、サイボウズの業務アプリ構築クラウド「kintone」や、ファイルメーカーのデータベースソフトウェア「FileMaker」との連携ソリューションもラインアップしている。SMILEシリーズのタブレット端末対応ソリューションがドアノックツールになって、「販売管理」の受注に至るケースも出てきているという。周辺系システムでユーザーの業務改革を促進し、基幹系へのアップセルにつなげるビジネスモデルをパートナーとともに推進する。